スコアが9以上となったインシデントには、7700万件のデータ記録を流出したフィリピンの選挙管理委員会に対するサイバー攻撃、8500万件のアカウント情報が流出したDaily Motionへのハッキングなどがある。
悪意あるハッカーがサイバー攻撃を行う理由として最も多いものは、ID窃盗だった。約60%が個人データにアクセスするために行われたようだ。
財務データと比較すると個人情報は安全のための対策が講じられていない。それだけでなく、犯罪者は個人情報を入手すると、それをアンダーグラウンドのフォーラムで販売して利益を得ることができる。盗まれたデータは詐欺に使われることもあれば、被害者が所有する他のアカウントへのアクセスに使われる可能性もある。特に弱いパスワードを複数のサービスで使いまわしている場合はそうしたリスクがある。
ハッカーはそのようにして流出した情報を使って、より複雑な攻撃スキームを開始できる可能性があり、より重要度の高い標的を狙ったフィッシング攻撃を実行する恐れもある。
IoTに接続するデバイスが増加していることからデータ漏えいの範囲は悪化する一方だ。IoTデバイス製品の中には、サイバーセキュリティが考慮されずに設計されているものも多い。
「IoTはサイバー犯罪者の攻撃のベクトルを増やしている。さらなるデータへのアクセスが増えると、攻撃はより巧妙になる」とGemaltoはレポートで警告している。
増大するデータ漏えいの脅威に対処するために、Gemaltoは、セキュリティ戦略を「セキュリティ侵害の予防」から「セキュリティ侵害の容認」へと発想をシフトさせ、企業は攻撃された時に実行可能な既定の計画を持つ必要があるとしている。
そして、セキュリティ侵害に効果的に備えるために、全機密データの暗号化、全ての暗号化キーの安全な保存と管理、ユーザーのアクセスを制御することを勧めている。
「ITインフラにこの3つのステップをそれぞれ実装することで、企業は効果的にセキュリティ侵害に備え、被害に遭うのを回避できる」(Gemalto)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。