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自動運転を宇宙からサポート--“GPS依存”を解消する衛星測位 - (page 2)

八亀彰吾

2017-04-26 07:00

 日本でもQZSS(準天頂衛星システム)と呼ばれる日本独自の測位衛星システムの構築を進めている。現在は1機のみの運用となっているものの2017年度内に追加で3機が、そして2023年度を目途に7機体制で運用されることが計画されており、先日、この6月1日に2号機を打ち上げることが発表された。

 これらGPSやQZSSの様に各国が整備する測位衛星網はGlobal Navigation Satellite System(GNSS)と呼ばれている。GPSの依存から脱却する目的から、これら複数のGNSSを相互補完的に利用し、安全性や正確性の高いサービスを提供することが注目を浴びている。

陸から海まで広がる位置情報ビジネス

 冒頭に述べた通り衛星測位分野はさまざまな産業で活用されているが、中でも世界的に注目を浴びているのが、道路輸送や海上輸送などにおける位置情報の活用である。

 近年物流業界における人手不足問題、長時間労働が引き起こす交通事故などに関するニュースを目にする読者も多いのではないだろうか。これらの問題は日本だけで起きているわけではなく、先進国を中心に同様の問題が発生している。

 そのため労働力不足解消や安全性向上などの目的から、物流業界を中心に交通状況のリアルタイムモニタリングシステムや自動運転システムなどのニーズが高まっており、その中で正確な位置情報を全世界で把握できるGNSSの活用が期待される。

 また陸上だけでなく海上でも位置情報の活用に注目が集まっており、自動船舶識別装置(AIS)を搭載した衛星を利用することで、海上においても位置情報の把握や船舶の識別が可能だ。

衛星測位技術がITSを加速させる

 近年自動車業界や物流業界で注目されている高度道路交通システム(ITS)を構築する要素の1つにGPSを中心とする各種GNSSの活用が期待されている。

 例えば現在開発が進んでいる自動運転技術である。自動運転はGNSSを活用した全球的な位置情報の把握と、自動車に搭載したレーダーなどのセンサによって車体の近傍に接近する他の車や障害物の検知、走行レーンの検知などの技術を組み合わせて実現する見込みがあり、実証実験などが欧米を中心に進んでいる。

 具体的な事例としては、2016年にオランダ政府が主導した「European Truck Platooning Challenge」が挙げられる。この取り組みは、物流業界の人手不足解消、事故の削減、業務環境の効率化、環境負荷の軽減などの解決策として、行われた実証実験であった。

 荷物を運ぶトラックが2~3台で隊列走行するのだが、2台目と3台目は自動運転であり1台目の走行ルートにしたがって走行する。

 このシステムを構成する重要な役割としてGNSSが活用されている。さらに走行する位置情報と周辺の交通状況に応じて先頭車両に適切なルート案内をすることにより効率的で安全な物流網が構築できると期待されている。

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