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より賢く活用するためのOSS最新動向

新社会人のためのOSS入門--なぜオープンソースはシステムの主流になったのか - (page 3)

吉田行男

2017-05-01 07:00

これからどうなる

 先ほど紹介したようにLinux1.0がリリースされたり、Apacheプロジェクトが開始、MySQL1.0リリースなどは1990年代半ばに起きたできごとです。

 2000年代になるとLinuxがサーバベンダーにバンドルされて出荷されるようになり、また2004年からは日本OSS推進フォーラムで、LinuxやOSSミドルウェアの検証作業が始まりました。

 このあたりの詳しいことは、「今、日中韓でOSS推進に協力する意義」を参照いただききたいのですが、この活動によって、エンタープライズで活用できる環境が整ってきたように思います。

 もちろん、その活動の成果が開発コミュニティにフィードバックされていることは、いうまでもありません。このように日本国内で官民一体となって、OSSの機能や信頼性の向上に大きく貢献してきました。

 しかし、「Hadoop」は2006年、「OpenStack」は2010年、「Spark」や「Docker」は2014年にバージョン1.0を公開しています。このように最近話題のOSSは、プロジェクトスタートからユーザーで活用できるレベルになるまでの時間が大変短くなってきています。

 また、OSSの活用の意義も従来に比べて大きく変わってきているように思います。

 2000年代は、いわゆる「SoR(System of Record)」と呼ばれる従来型の業務システムでの活用を主目的としていたために、活用目的も「コスト削減」や「ベンダーロックインの排除」といったものが多かった田感じています。

 しかし、現在は、「SoE(System of Engagement)」と呼ばれる領域での活用が期待されています。そうなると活用の目的も「最新技術の活用」によって、ビジネスプロセス革新や新ビジネス創造などのデジタル革新を実現するシステムでの利活用に移っています。

 従来は、単にOSSをそのままの形で活用し、自社の技術と組み合わせてシェアの獲得競争を実施していましたが、現在では、非競争領域での標準化や共通化を推進するOSSを共同で開発し、その開発の中で出てきたものを自社のビジネスにどのように活用するかというように変化してきました。


 従って、コミュニティとの付き合い方が変わってくるということです。つまり、これからはエンタープライズ企業の技術者もOSSのコミュニティに積極的に入って行き、自らのビジネスに必要な機能拡張や性能向上をコミュニティの中で実現していくことが必要になってきます。

 今までのようにただ単に「OSSを活用する」という段階から、コミュニティに入って行き「OSSを開発する」というように変化を求められるようになってきます。

 今まで、日本の企業があまり得意でない「オープンイノベーション」を実現しているOSSコミュニティとうまく付き合っていける企業のみが今後生き残っていくのかもしれません。

※本文中記載の会社名、商品名、ロゴは各社の商標、または登録商標です。

吉田行男
日立ソリューションズ 技術革新本部 研究開発部 主管技師。 2000年頃より、Linuxビジネスの企画を始め、その後、オープンソース全体の盛り上がりにより、 Linuxだけではなく、オープンソース全般の活用を目指したビジネスを推進している。 現在の関心領域は、OpenStackを始めとするクラウド基盤、ビッグデータの処理基盤であるHadoop周辺及びエンタープライズでのオープンソースの活用方法など。

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