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ソラコムの玉川CEO--「グローバル展開のキーはスーパーローカル」 - (page 3)

松下康之

2017-05-04 07:00

ーー最近展開しているLoRaWANについてのアップデートについて教えてください。

 

 この2月に「SORACOM LoRaWANConference 2017」を開きました。そこでLoRaWAN共有サービスモデルのビジネスを発表しました。省電力広域(Low Power Wide Area:LPWA)ネットワーク規格の1つであるLoRaWANの利点の一つに簡単に基地局を設置できるというものがあります。

 普通に自社でLoRaWANのネットワークを構築しようとするとLoRaのデバイスを用意して次にゲートウェイを用意して、そこからクラウドや自社のネットワークに接続して、と幾つかのステップを踏まないとできませんが、ソラコムのサービスを使えばそこは簡単に接続して利用することができます。


所有モデルと共有サービスモデル

 その場合でも例えば開発者が自分でネットワークを作って試してみるということができませんでした。LoRaWANの良さは省電力で数キロまで電波が届くということなんですが、それに加えて基地局であるゲートウェイを免許なしに設置できるっていうところなんですね。

 それがモバイルキャリアによる基地局の設置を待たなければいけなかった状況とは違うところなんですが、自分で構築するにはそれなりにコストが掛かっていたわけです。

 それをソラコムが所有するゲートウェイを共有することでコストを抑えて使うことができるというものです。共有サービスモデルであればゲートウェイ1台について月額約1万円で利用できます。あとは自分でLoRaデバイスを用意すればすぐに試すことができるのです。

 

ーー共有サービスモデルでの価格以外のポイントは。

 

 低コストですぐに始められるだけではなくソラコムがゲートウェイを保有して管理することで効率良くネットワークが構築できることもポイントです。よく無線LANのアクセスポイントが重なることで電波が干渉して通信ができなくなるという状況になりますが、LoRaWANの場合だと通信距離が長いためにさらにそれが起こるとやっかいです。それをソラコムがゲートウェイを所有して管理することで効率良く配置できるわけです。

 

ーー4月に実施したイベントについて教えて下さい。

 2月のLoRaWAN ConferenceではLoRaWANに特化した内容でしたが、4月に「SORACOM if-up 2017」は、IoTに特化したェンジニアのための有料のコンファレンスを開催しました。いままで日本で行われる技術的なカンファレンスは無料のものが多かったんですが、ちゃんとお金をもらってそれに値する情報を提供しようというソラコムなりの取り組みということですね。7月には2016年に引き続き、IoT最新事例や技術をお届けする1 Day カンファレンスSORACOM Discovery 2017も開催されます。これからもイベントにプロダクトにスピード感持って仕掛け続けていきます。


IoT最新事例や技術をお届けする1 Day カンファレンスSORACOM Discovery 2017

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