3. 人材を整理する
技術革新と共に、硬直したヒエラルキーから柔軟な職場構造への移行が進んでいる。その恩恵を最大限に受けるために、銀行は事業が新しいテクノロジを統合する中での役割の変化や、オンデマンドの優秀な人材を含む「流体化する労働力」を持つ必要があるとレポートは述べている。そして、「研修やAI、コラボレーションテクノロジ、報酬」に投資することを推奨している。
4. 人の要素
多くの銀行の新たなプロセスは自動化されるかもしれないが、やはり人間が担当すべきプロセスとそのタイミングを理解することは重要だ。「絶え間ない人とのやり取りの中で、顧客を案内する適切な手段を構築して、顧客が今何をしているのかを認識し、適切なタイミングで、適切な接客ができるようにする」必要があるとレポートには書かれている。
5. 「未知の領域」へ
銀行業者が銀行業の「新たな規則」策定について考えるようレポートは促している。そのために、リーダーたちは「より多くの取引がほかのプラットフォームに移行し、規制当局の指示によって、顧客の口座や支払い、製品データ、そのほかのデータへのAPI経由でのアクセスがサードパーティーのプロバイダーに認められる中で、顧客の信頼とデータセキュリティを維持すること」の重要性について考えるべきだ。適切なセキュリティ要件を満たせるように、新たなチームを結成してもいいかもしれないとレポートは提案している。
AIの専門家はフィンテックについて、特に変革の機が熟した分野と見ているようだ。例えば、ATMは昔から、実際にコスト削減につながったオートメーションの例として挙げられてきた。そして銀行はより多くの支店を開設した。
しかし、AIの幕開けが新たなパラダイムがもたらしている。ライス大学のコンピュータサイエンスの教授であるMoshe Vardi氏は、「人々はモバイルバンキングに移行している。そうした銀行の支店は姿を消していこうとしている。あなたが最後に銀行に行ったのはいつだろうか。全く行っていないだろうか。テクノロジによって、最終的にそれらの支店の多くがなくなるだろう」と述べた。
新興企業は銀行について、時代遅れのビジネスモデルであり、銀行がただ1つ有しているのは信用という要素だと見ているとVardi氏は述べた。それでも、フィンテック企業の多くが「銀行に狙いを定めている」とVardi氏は話す。「銀行はかつてないほど厳しい戦いに直面するだろう」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。