Oracleは米国時間4月26日、かねてより構想を明らかにしていた「Adaptive Intelligent Applications」(適応型インテリジェントアプリケーション)の第一弾は、顧客エクスペリエンスに主眼を置いた「Adaptive Intelligent Apps for CX」になると発表した。
提供:James Martin/CNET
同社のAdaptive Intelligenceプログラムの製品およびデータ科学担当バイスプレジデントであるJack Berkowitz氏は米ZDNetに対して、Adaptive Intelligent Apps for CXは、ファーストパーティーとサードパーティーのデータを融合し、リアルタイムのアナリティクスを提供することで、「さまざまなデータを密接に連携させたかたちで人々が仕事をできるように支援する」と述べている。言い換えれば、このアプリケーションを使用する企業は、Eコマースサイト上でのターゲット広告やカスタマイズしたソリューションの提供によって、調和した顧客エクスペリエンスをもたらせるということだ。
この新アプリケーションは、「Oracle Marketing Cloud」や「Oracle Sales Cloud」「Oracle CPQ Cloud」「Oracle Commerce Cloud」「Oracle Service Cloud」「Oracle Social Cloud」を含む「Oracle CX Cloud Suite」におけるすべての側面とやり取りできる。
Adaptive Intelligent Applicationsは、膨大なデータが集積されている「Oracle Data Cloud」上に構築される。Oracle Data Cloudは50億を超える顧客および企業のIDを有しており、毎月7兆5000億以上のデータポイントからデータを収集している。Oracleは最終的に、顧客エクスペリエンス(CX)や人的資本管理(HCM)、エンタープライズリソース計画(ERP)、サプライチェーンを含む既存製品のすべての面を強化するAIアプリケーションを構築する予定だ。
Oracleはネバダ州ラスベガスで開催中の「Modern Customer Experience」において、Adaptive Intelligent Applicationsの第一弾がAdaptive Intelligent Apps for CXになると発表した。Berkowitz氏によると、顧客エクスペリエンスを最初に選んだ理由は「極めて正確なサービスエンゲージメントを実現するにせよ、疑問に対して正しい答えを返すチャットボットを実現するにせよ」直接的な価値がもたらされるためだという。
また同氏は「データこそが、能力を発揮するうえでの本当の力の源だ」と述べるとともに、「われわれはこのデータにアクセスできるという点、そしてこのデータの多くはコンシューマー指向のものだという点で、手始めとしてはもってこいだと考えた」と述べている。
さらに、実装は単刀直入なものとなる。アプリケーションは数時間で準備、稼働できるようになる。
Berkowitz氏は「最初に手がけるユースケースとして、破壊的ではないものを探し求めていた(中略)われわれはAI技術が人を置き換えるためではなく、人の能力を強化するために存在していると考えている」と述べている。
またOracleは同日、コンテンツの管理と調達のための新たなプラットフォーム「Oracle Content and Experience Cloud」を発表した。同プラットフォームにより、顧客やパートナー、従業員を対象にした任意のデジタルチャネルにコンテンツをもたらせるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。