座談会@ZDNet

銀行をデジタル化する人材の条件--FinTech座談会(3) - (page 5)

山田竜司 (編集部) 飯田樹

2017-06-01 07:00

 落合氏:金融機関から出るだけではなく、(IT業界などから)入ってくる人もいるというところで、両方から流動化していますよね。

 そうすると、外部から入ってきた人ならリスクを取ろうとする人も出てくるのかなと思いますが、いかがですか。


渥美坂井法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士 落合孝文氏

 藤井氏:最近では、デジタル化の方向に進まなければならないという背景から、デジタル人材を外から取ってきて、金融知識には期待しないけど、デジタルな領域におけるプロジェクトマネジメントやビジネス企画をすることを期待してIT経験者を採用するケースが増えていると思います。

 銀行のある事業領域に精通した経験で既存の金融機関の弱いところを全て把握していて、ITで解決する製品やサービスを試していける、みたいな人は理想でしょうね。

 平手氏:(FinovetorsでCTOを兼任している)大久保さんを拝見していると、金融も分かりつつ、システムもご存知でサービスを作っている。

 漠然と考えていることを実際にシミュレートしたらどうなるか、どういう仕組みなら強いか、という部分まで分かってサービス開発されていると思うのです。

 Finolabでスタートアップの方と一緒に(製品やサービスを)作り上げていくプロセスを遠巻きながら観察させていただくと、こういう人材がFinTechのサービスづくりをすることが大事だと思いました。

 大久保氏:平手さん、ご配慮ありがとうございます(笑)。私は藤井さん(MUFG)が先に道を切り開いてくれたので、ここまでやって大丈夫かなという肌感覚はありました。

 (みずほ銀行がラボ施設を設置した)、Finolabに入って、まずわれわれは地味に社内規定を変えたんです。スーツを着ていると違和感がありますし、Finolabにいるときには、郷に従うことにしました。また、働き方改革についても、インフラ環境を整え、積極的に取り組んでいます。

 藤井氏:まだまだわれわれを含めて十分ではないというか、来たるべき競争のステージを前に、本当の意味で体制が整っているかというと、まだ時間はかかるでしょう。

 大久保さんや平手さんのところもそうですが、次の一皮をむくときがきますよね。

 言い方が難しいのですが、引いた視点から見るとそれほど差がついているところはなくて、本当に目指すべき遠いところにいかに近づけるか、そのパスを作っていくのが重要です。

 <第4回へ続く>

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