富士通とIntelは、IoTを活用した生産効率可視化システムの共同実証をマレーシアにあるIntelのペナン工場で4月から開始した。4月27日に発表した。
同工場は、米国外では最大の生産拠点。同システムを活用することで、エネルギー使用量などの情報を日次で可視化でき、タイムリーな施策を打ちやすくなる。これまでは環境情報を月次で集計していた。
生産効率可視化システム(富士通提供)
工場の全体最適化を支援する分析・可視化ツール「FUJITSU ビジネスアプリケーション Intelligent Dashboard」、クラウド型のIoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」、「インテル IoTゲートウェイ」を連携させたもので、工場全体の電力や水の使用量などの環境情報と半導体製造ラインの稼働状況を可視化する。
環境情報は、工場内の電力量計や水道メーター、温度や湿度などを計測する環境センサから取得し、半導体製造ラインの稼働状況データとあわせてIoTゲートウェイを経由して集約する。これらのデータは、K5 IoT Platformで一元管理され、収集したデータをもとにエネルギー使用量や関連するコスト、製造設備稼働率などの指標をIntelligent Dashboardに統合的に表示する。
システム活用イメージ(富士通提供)
両社は、2015年5月からIoTソリューションの構築に向けた協業を開始。今回の取り組みの前に島根富士通で同様の実証を行っており、輸送コストを30%削減するなどの効果を上げている。
富士通は、2017年5月から製造企業向けにIoTを活用した工場全体の最適化ソリューションをグローバルで提供開始し、今後3年で100億円の売り上げを目指す。