3Dプリンティングを手がけるパートナー企業のエコシステムが醸成されつつあるなか、SAPやGeneral Electric(GE)、Stratasysら大手3社はそれぞれ、付加製造技術(Additive Manufacturing)と3Dプリンティング技術をさまざまな業界で展開していこうとしている。
SAPは先週、3Dプリンティングを製造工程に統合するためのアプリケーション「SAP Distributed Manufacturing」をリリースした。このアプリケーションは顧客との協力のなかで作り上げられたものだという。
SAP Distributed Manufacturingによって、3Dプリンティング関連の企業やサービス、原材料供給元をサプライチェーンに組み込めるようになる。また、このアプリケーションは、見積もりから契約締結に至るまでのプロセスもサポートしている。さらにSAPは、3Dプリンティングをサプライチェーンに統合するために、HP Inc.とJabil Circuitとの提携を強化したと発表した。
一方GE Additiveは、付加製造技術の利用促進を目的としたカスタマーエクスペリエンスセンターをドイツのミュンヘンに開設すると発表した。GEのGlobal Research Centerに隣接する顧客エクスペリエンスセンターの開設に向け、同社は1500万ドルを投資することになる。そこには付加製造マシンとともに、プロセスをウォークスルーしたり、トレーニングを実施したり、可能性を追求する従業員も配置される。
そしてStratasysと、Siemensの鉄道事業部門であるSiemens Mobilityは、ドイツの公共企業Stadtwerke Ulm/Neu Ulm(SWU)Verkehr向けのカスタムパーツをStratasysの熱溶解積層法(FDM)方式3Dプリンティング技術を用いて製造した。
SiemensはStratasysのシステムを用いることで、工作機械を使用せずに、実際のトラム運用で使用できる部品を、数日間で製造できたという。それまでは保守部品の在庫がない場合、該当部品を製造するための工作機械を購入する必要があったうえ、10個以上でないと注文を受け付けられなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。