NECとFiNCは4月28日、ヘルスケア領域での協業を開始した。NECのAI技術群「NEC the WISE」とFiNCの法人向けウェルネスサービス「FiNC for Business」を組み合わせ、新たな企業向けウェルネスソリューションを共同で開発する。
今回開発するソリューションは、企業内で従業員の健康状態を把握するために、カメラやウェアラブル端末などのIoTデバイスで人の表情、声音、脈拍や体温などの生体情報を取得し、FiNC for Businessのアプリケーションに蓄積された食事や運動などのライフログデータと組み合わせてAIで可視化、分析する。FiNC for Businessは、FiNCの提供する法人向けウェルネスサービスとして、企業の従業員満足度の向上やリスクマネジメントを目的とし、月額1人あたり約500円で2014年から提供している。
データ入力を行うことなく、従来の定期健康診断では困難だった健康状態の日々の変化や健康リスクを捉えられ、早い段階での気付きや健康促進に関してタイムリーにアドバイスできるという。
同ソリューションは2018年の提供開始に向けて6月から6カ月間、実証実験を進める。本人の同意を得た上でNECとFiNCの社内の特定保健指導対象者からモニターとして50~100人程度を選出する。
AIの活用では、測定されたBMI値(肥満度を示す体格指数)などの数値と導き出した改善度の予測モデルとの関係性を見出す。生活習慣病の発症リスク予測、生活習慣病予備群の予測結果から効果の期待できるモニターを選出する。
両社は今後、ウェルネスソリューションの共同マーケティングを展開する。FiNC for Businessの導入企業やNECの顧客企業を中心に、共同提案、セミナーの共催、各種プロモーションなどを展開する。ウェルネスソリューションを活用して、全国の医療機関と連携して退院後の治療や療養などの予後のフォローや、自治体と連携した地域医療連携への展開を進めていく。