May氏はまた、同社のマネージングディレクターと毎月打ち合わせをする機会を持ち、重要な問題について話し合っている。その際の話題は、テクノロジについてではなく、航空宇宙産業における重要項目の変化や、ガバナンスに関する新しい規制の影響などの、ビジネス上の幅広い課題に関するものだ。
「ITリーダーは、技術部門以外の問題に目を向けるべきだ」とMay氏は言う。「ほかの幹部との関わりを持つことは、事業部門がテクノロジの潜在的な可能性について知るチャンスにつながる」
2.テクノロジへの投資がどう収益につながるかを示す
Accenture Technology Strategyで英国とアイルランドのマネージングディレクターを務めるAndrew Marks氏は、ITリーダーは強気でなければならないと述べている。成功する技術部門の責任者は、積極的で、テクノロジに対する投資の真の価値を重視する。
「CIOには自信がなければならない」と同氏は言う。「消極的に待ち受けるのではなく、いつ新しいトレンドが来るのかを言い当てる必要がある。CIOがテクノロジへの投資がどう収益につながるかを示せれば、その言葉には説得力が生まれる。それができないなら、選んだ仕事が間違っているのかもしれない」
今のCIOには、常にほかの役員と関わりを持つことが求められる。投資対効果について語ることは、今も昔もほかの役員を説得するための最善の方法だが、Marks氏によれば、最近では対話の枠組みが変わってきているという。
CIOは、不可能だったことを可能にする必要がある、と同氏は言う。
「以前の取締役会は、十分な議論をすれば、不安げにCIOにIT予算を付けてくれた」とMarks氏は言う。「今では、ほかの幹部が明確な変革のテーマと結びついた、価値に基づいた提案を求めるようになっている。社内のハードウェアを維持する以上の意味がない投資が許されることは、まずない。どんな投資にも、ビジネス上の課題やチャンスの観点から価値を提供することが求められる」
つまり、CIOは事業部門が何を求めているかに注意を払う必要があるということだ。「常にターゲットとなる顧客に注意を向ける必要がある」と同氏は言う。「私が話をするITリーダーの多くは、特定のシステムやサービスに対する依存度を下げようとしている。それには、自分の考えをかみ砕く必要がある。事業部門が現在どのように動いており、ほかの役員がプロジェクトを支持してくれた場合に、状況がどう改善されるかを考えなくてはならない」