3.チャンスについて意識し、協力関係を築く
AstraZenecaのCIOであるDave Smoley氏も、ほかの役員からの支持の重要性を認めている。同社では、CIOとほかの役員が密にコミュニケーションを取るのは普通のことだという。この協力のプロセスは、大規模に進められることも多い。例えば同社は、スペインのバルセロナに250人の幹部が集まるミーティングを毎年開催している。
このミーティングは、組織の頂点に立つ役員たちにとって、人的ネットワークを作り、幅広い事業目標について話し合うチャンスだ。「社内の250人の役員は、この場で何が起こっているかを理解し、質問をし、人間関係を構築する」とSmoley氏は説明する。「重要なのは、討論を生み出し、議論を刺激することだ」
このリーダーが集まるイベントでは、大手IT企業が参加して社内のマネージャーに対して製品を説明できるスペースが設けられている。「わが社はそれらのIT企業と複数の取り組みを進めており、それらの企業は将来、会社全体で使える可能性のある、多くの新たなテクノロジを持つようになるだろう」とSmoley氏は言う。
効果的な仕事上の関係性と事業部門の支持を得るために重要なのは、組織内と組織外を含めた、すべての関係者の強い結びつきだ。Smoley氏は現在、社外顧問の委員会を設置し、幹部が大手ベンダーと毎月会って、IT部門やその他の部門に、重要なテーマについて説明する仕組みを作ろうとしている。
Smoley氏は、テクノロジの価値を理解しようとすることは、常に継続していく必要がある仕事だと考えている。同氏はすでに、AstraZenecaにテクノロジイノベーショングループを設置し、IT主導の変革に関する知識を分析している。同氏は優秀な部下の1人にこのグループを任せている。
「IoTとAIによる変革の可能性は魔法のようにも聞こえるが、私自身、オートメーションや、ビジネスアナリティクスとそこから得られる知見によって、今後大きな成果が出ると考えている」とSmoley氏は言う。「これらのセッションを通じて、チャンスについて考え、ビジネスの重要分野で活動を進めるための作業セッションを設けることができるだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。