日本株展望

決算コメント アコム・富士通・三菱商事ほか

ZDNet Japan Staff 2017年05月11日 11時19分

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今日のポイント

  1. 構造改革の成果などで、利益が大きく伸びる企業や、最高益を更新する企業が増加
  2. アコムは過払い利息の返還請求がピークアウトすれば収益回復が本格化する見込み。富士通は長年の構造改革の効果がようやく実を結ぶ。三菱商事は石炭価格回復の貢献大。NTTデータは、SI事業が安定成長。日本通運は海外を強化してきた効果で最高益

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

本レポートでコメントする銘柄


(注:株価は5月10日終値。配当利回り・PERは会社予想ベース、アコムは今期配当金を未定としている。最小投資金額は、5月10日の株価で最小売買単位を購入する金額。最小売買単位は、アコム・三菱商事・NTTデータは100株、富士通・日本通運は1,000株、各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成)

過払利息請求が減少、業績の本格回復期入りが見込まれるアコム

 消費者金融大手で三菱UFJ FG傘下のアコムが10日発表した2017年3月期決算は、▲721億円の純損失となった。続く2018年3月期は、会社予想では、642億円の純利益に転換する。会社予想ベースでPERは12倍と割安で、投資妙味を感じる。

 過払利息の返還損失の減少が遅いことが、アコムの業績低迷が長引く要因となってきた。利息返還金は、2016年3月期に576億円、17年3月期に588億円発生した。

 アコムは17年3月期で、利息返還損失引当金を1437億円と大幅に積み増しした。それが前期最終赤字となった主因だ。ただし、その結果、期末の引当金残高は1649億円と大幅に増加した。会社が今後4年間で発生すると見込む利息返還損失を、前期で引き当てたことになる。

 会社側見通しでは今後4年間、利息返還金は年々大きく減少する。4年分の損失を前倒しで引き当てたことから、今後は、利息返還損失が収益を下押しするリスクは、かなり小さくなったと考えられる。

 最近、テレビで消費者金融のCMが増えている。消費者金融業界は、利息返還請求で整理が進んだが、残存者が残存メリットを享受できる局面に入ってきていると考えられる。長期金利がゼロでも、消費者金融業の利ザヤが減少することは当面ないと考えられる。

 会社の予想通り、利息返還請求が減少していけば、株価の上値余地は大きくなると考えている。

構造改革で収益が大きく回復する富士通

 富士通が4月28日に発表した2017年3月期決算は、連結営業利益が前期比7%増の1288億円だった。続く2018年3月期に同社は、営業利益が44%増の1850億円になると予想している。営業利益はまだ最高益に届かないが、最終利益は、前期比64%増の1450億円と最高益を更新する見通しを出している。会社予想ベースでPERは11倍と割安で、投資妙味を感じる。

 毎年続けてきた構造改革がようやく実を結び、利益が伸びる段階に入ってきたと考えている。これまで、毎期高水準のビジネスモデル変革費用(リストラ費)が、富士通の利益を圧迫していた。2016年3月期で▲415億円、17年3月期で▲447億円のビジネスモデル変革費用が出ている。

 2018年3月期は、会社予想では、ビジネスモデル変革費用がほぼゼロとなる。リストラが一巡し、リストラ効果が出てくることが業績の大幅上昇に寄与する。

 富士通は、ハード(コンピュータ・通信機器など)中心の会社から、ソフト(システム・インテグレーション、サービス)中心に利益を稼ぐ会社に、20年近くかけてようやく構造転換を果たしてきた。構造転換の過程で何度も揺り戻しがあり、投資家の信頼を失った局面があった。長年の構造改革がようやく実を結び始めている。

 今期は、半導体(システムLSI)/電子部品の収益改善も貢献する。前期42億円の営業利益だったデバイス・ソリューションが、今期の会社予想では140億円の営業利益を稼ぐ見通しとなっている。

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