Quocircaのサービスディレクター兼アナリストのClive Longbottom氏は、「プロバイダーの宣伝文句に簡単に乗らずに、なるべく標準化されたAPIを使用するべきだ」と述べている。これは、オープンソースソフトウェア企業であるCanonicalがロンドンで最近開催した、「ビッグソフトウェア」(現代のエンタープライズコンピューティングを構成する、複雑に絡み合ったソフトウェアの広がり)の概念に関するディスカッションでの発言だ。
「市場は急速に拡大しており、問題は必ず起きる。オープンなアプローチを使い、ベンダー独自のテクノロジを使用するのは最低限にして、必要なら手を引けるようにしておく方法を模索すべきだ」と同氏は付け加えている。
2.適切なIT活用能力を養う
クラウドへの移行によって新たな形のITの調達と管理が実現すれば、仕事の分担の変化が生じる。多くの企業は、大勢のデータベース管理者を抱えた従来型のIT部門を必要としなくなるだろう。ただし、変化のペースは、多くの場合ゆっくりとしている。
各事業部門の担当役員が独自に調達するテクノロジの量が増えることがある一方、古いITを扱う技術部門を設置する必要性はなくならない。従来型のマニュアルが重要なプロセスや仕事のスタイルが、単純にクラウドを活用した新しいビジネスに切り替わってきているだけだ。
しかし自動化の進展は、IT部門が進化を遂げて、新たなスキルセットを身につける必要があることを意味している。多くの企業は今後、2つの分野のIT活用能力を持つことになる。Longbottom氏によれば、これは2014年にGartnerが提示したバイモーダルITのモデルのバリエーションだ。
1つ目の分野は記録のためのシステム(Systems of Record)の管理に関するものだ。この分野では、あまり大きな変化は起きず、IT運用スキルの一部の要素は社内に留保される。2つ目の分野は、エンゲージメント(Systems of Engagement)のためのシステムに関するもので、この分野では非常に早いペースでの変化が必要とされる。成功する企業は、今後顧客と直接接触するインターフェース全般に対して継続的デリバリを行うようになるはずだ。
CIOはDevOpsを取り入れ、ITプロフェッショナルが、真の変化を起こす革新的なプロジェクトに取り組める余裕を作る必要がある。継続的開発や継続的デリバリを最大限に活用するCIOは、アイデアを持っている事業部門と連携を取り、幅広い技術的な選択肢を示すことができる。