今後は、以上のような柔軟性が重要になる可能性が高い。企業の敏捷性が高まれば、リーダーたちはこれまで対応が難しかった問題に対して、素早く判断を下すことができるようになる。「成長するには、生き残る必要がある。そしてそれには、これまでやってきたことの多くを打ち破る必要があるかもしれない」とLongbottom氏は述べている。
3.支えてくれるパートナーのエコシステムを作る
機敏さを取り入れ、ビジネス主導の取り組みを生み出すことは、スタート地点に過ぎない。変化志向のITリーダーであっても、イノベーションを継続していくことは難しい。絶え間なく変化を起こしていくということは、すべてを社内で賄おうとする企業は、すぐに時代遅れになってしまう可能性が高いということでもある。
この問題に対する回答は、会社の外にある。10年前に、CIOがサービスへの要求に応えるために大規模なアウトソーシングを模索したように、デジタル時代のITリーダーは、IT部門の境界を越えることを模索する必要がある。現代のCIOは、常に組織の外で起こっていることに敏感でなければならず、状況に応じて対応できる、幅広いサポートネットワークを持つべきだ。
「ビッグソフトウェア時代のCIOは、周囲にエコシステムを必要とする。必要に応じて新たなスキルを持つ人材を雇用するのは高くつく」とLongbottom氏は言う。「技術的な選択肢はあまりにも多く、CIOはITを経済的に利用する必要がある。そのためには社外のパートナーと協力する必要が出てくるかもしれない」
ITリーダーの大目標の1つは、既存のインフラに費やす経費を削減することだ。自動化を行い運用経費を削減することで、より多くの経費をビジネスニーズを満たすためのイノベーションに振り向けられるようになる。IT部門はシステムを作り直すかわりに、外に出て人に会い、ビジネスの課題を解決する優れたソリューションを見つけることもできる。
CIOのエコシステムには、スタートアップやソフトウェア企業、競合しないライバル企業、そしてイノベーションへの可能性を開くインスピレーションを与えてくれる、あらゆるものが含まれるべきだ。これは、最近米ZDNetの取材に応じた、ベンチャービルダー企業Blenheim Chalcot Accelerateのグループ技術責任者であるMark Ridley氏の考えた方とも共通している。
「外部と交わることは(これにはパートナーエコシステムも含まれる)、違う世界のまったく別のアイデアの間に、驚くべきつながりを見いだすチャンスを与えてくれる強力な学習機会になり得る。その素晴らしい瞬間こそがイノベーションだ」とRidley氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。