島根県浜田市は、システムの運用効率化と市民サービス向上を目的に、庁内ネットワーク基盤をSDNで刷新、3月から稼働している。NECが5月11日に発表した。
同市では、基幹系、情報系、電話系、消防指令などのシステムごとに構成されていたため、ネットワークの全体像把握が困難だった。このため管理工数が増大し、障害発生の危険性や管理者の属人化を招いていた。また、マイナンバー制度への対応によるネットワークの強靭化、セキュリティ強化も喫緊の課題となっていた。
NECは、サンネット(広島市中区)と連携し、システムごとに分かれていた庁内ネットワーク(本庁、4支所と公民館など合計45拠点)をSDNで統合、刷新した。構築期間は約4カ月。
ネットワーク構成イメージ(NEC提供)
今回構築されたネットワークは、SDNコントローラ「UNIVERGE PF6800」2台、SDNスイッチ「UNIVERGE PF5200」シリーズ16台、エッジスイッチ「UNIVERGE QX-S4000」シリーズ280台などで構成され、これまで独立していた基幹系(住民情報システムなど)と情報系(インターネットなど)に加え、電話系、消防指令を統合している。
各システムは仮想ネットワークにより、セキュリティを担保しつつ分離されており、市内の各拠点のどのポートに端末をつないでも、即座にネットワークを利用できる。また、庁内ネットワークの設定変更は、SDNコントローラからソフトウェアで一元的に行えるため、庁内のレイアウト変更、端末の追加などを容易に行えるようになり、物理構成と論理構成、通信状態(トラフィックの流れや障害状況など)もGUI画面で把握可能。
今回のネットワーク刷新で、公民館などでの投票や確定申告といった臨時のネットワーク構築が必要になる際も迅速に対応できる。また、災害発生時における避難者へのインターネット環境の提供など、さまざまな住民サービスの向上にも貢献できるとしている。