村田製作所は「Oracle Exadata Database Machine」を導入し、生産、販売、物流管理などの基幹システムのIT基盤を統合した。新システムは「Oracle Database 12c」上で稼働し、プライベートクラウド環境やハイブリッドクラウド環境への移行が容易になるという。日本オラクルが5月11日に発表した。
村田製作所では、従来メインフレームシステムを運用していたが、処理速度低下や運用コストが課題となっていた。夜間のバッチ処理では、データの増量に伴い実行時間の長期化が課題となっていた。同社は製品の90%以上を海外で販売しており、グローバル生産の拡大や積極的なM&A戦略で取り扱うデータ量やシステムの利用者数が増大している。
同社は、検証環境や災害対策環境も含め、計画停止まで考慮した堅牢なデータベース基盤を構築するため、Exadataを4台導入した。採用理由として、事前検証で夜間バッチ性能の30%向上が見込まれること、拡張性、可用性をはじめ、オンライントランザクション処理(OLTP)とバッチ処理、データウェアハウスなど、さまざまなデータベース処理が共存できることなどが挙げられている。
システムの導入、移行プロジェクトでは、日本オラクルのコンサルティングサービスが活用された。移行作業にはデータベースのテストツールである「Real Application Testing」を活用し、村田製作所のデータベース管理者が2カ月でテストとチューニング作業を完了させた。システム運用では、予防的な監視と問題発生時のサポートを実施するオラクルの「Advanced Customer Services」を活用する。