そのほか、福岡のプリンシプルは「SMART ROOM SECURITY」という、都会で一人暮らしをしている女性などに対し、ワンコインで窓の開け閉めを見張るサービスを展開しています。
東京五輪に向けたインバウンドのビジネスでは、WAmazingという会社が、訪日旅行者向けにSIMで無料の500メガを提供する代わりに、スマホのアプリをダウンロードしてもらい、そこでホテルの予約やタクシーの手配を提供するというサービスをしています。海外のアプリランキングでは4位などに入っていて、結構今注目されているところです。
そういった企業に頑張ってほしいなと思っていますね。既存企業ならDay1であって欲しいですし、あとはスタートアップに頑張って欲しいです。
大企業が既存システムを変えるために必要なもの

ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏
ZDNet:Day1、Day2の話について。大企業は既存のシステムを持っています。例えばセブンイレブンには、それまで培ってきた重たいシステムがあって、おそらくオムニセブンでやろうとしていることとは、(稼ぐためのシステムということで設計の考え方が違うものだと思います。Day1であるために、大企業は既存システムに対してどう取り組んだら良いかは、情報収集をしていても、はっきりわかりません。そのあたりの感想や考えがあれば教えていただけないでしょうか。
玉川氏:すごく難しいですよね。私は今スタートアップの経営者なので、そういう問題がない側の人間なのですが、前に所属していた部門で言うと、Amazonもそういった問題を抱え続けている会社でした。
一つの例ですが、Amazonはeコマースの会社なので、仕入れて売るのはAmazonがやっていたのです。そこに次のビジネスモデルとしてセラーモデルを取り入れたわけです。
このときは、ものすごく社内の反発がありました。本を売っている事業部からすると、他の書店が入ってきたら、うちの部の予算はどうなるんだというのがあったのですが、ジェフ・べソスが非常に強力なリーダーシップで「(新しいビジネスは)顧客のためにするのだ」と示したのです。
顧客からすれば、Amazonが売っていようが、他の書店が売っていようが、バラエティが多い方が重要だというビジョンを強力に示せたことが重要だと思っています。
既存のビジネスを守りたいのは当たり前のことなので、それより大上段のビジネスを示す人がいるのか、新しいビジネスをやる時に推進させる強いリーダーがいるのかがまず重要なのかなと思います。