松島氏:少しズレているかもしれないのですが、IoTを推進するために必要なこととして1つ加えるとしたら、BtoBだけでなく、BtoCでもビジネスをすることだと思います。われわれはBtoBが中心ですが、BtoCでトライアスロンのサービスを扱っているのは、私がトライアンスロンに時間を使っているため、ユーザーとして良いビジネスが作れると思ったからです。

シーオス 代表取締役社長 松島聡氏
私にはBtoCとBtoBの事業感覚は一緒なんです。一方、BtoB領域ではサプライサイドに立って、自分たちにあるものを売ってしまいがちですという企業もあります。これは止めるためにコンシューマ向けのビジネスの感覚が必要ということです。
IoTビジネスは、新しいサービス、事業を作ることそのものです。それはどこかのコストをもらって何かをするということではないので、「ユーザーとともに」というビジネスモデルが非常に良いと思っています。
われわれでうまくいっているのは、共同事業が多い。今までみたいに買ってもらうのではなくて、お互いがリスクを取る方法です。そういうプロダクト・アズ・ア・サービスだったり、ソフトウェア・アズ・ア・サービスを、成功報酬のモデルでやっていかないと、難しいのではないかなと思っています。
そうしないと、道具を買って費用対効果を見ることになって、ユーザーの立場で仕事ができない。だから「一緒に事業をやる」ということではないかなと。
IoTプラットフォームに必要なシステム
ZDNet:データ収集とデータ分析を含めて、IoTのプラットフォームとしてどんなシステムを構築したら新しいビジネスを作れるようになるのか。話をお聞きしたいです。
玉川氏:システム的な観点として、最近僕は「IoTスケール」という言葉を社内で使っています。「小さいものから大きいものまで」みたいなイメージです。
IoTでは、一個のものはすごく小さくて、生成されるデータも小さいのに、大量のデバイスを相手にしなければなりません。これを従来型のシステム設計でやろうとすると、キャパシティ設計ができないんです。想定ユーザー数も「10万~100万になるかもしれないけれど、最初は100から始まります」みたいな感じになって、投資は大きいけどリスクも大きいシステム投資のようになってしまいます。