玉川氏:最近の潮流から、IoTのテクノロジや動向を生かして、自社で成長しようという企業にはIoTはビジネスの要になるでしょうし、無意識にやっている企業には関係ないということです。

ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏
ただ、このIoTムーブメント自体は非常に大きいと思っていて、IoTとインターネットは似ていると思います。今インターネットに無関係でいられる企業はほとんどないし、どの会社もウェブは持たないといけない。銀行であっても、インターネットが出て数年後には、ネットバンキングを取り入れているわけです。
そういった意味ではIoTもそれに親しいものがあるのかなと感じています。後から振り返ると、多くの企業がIoTの何らかのテクノロジを取り入れて、何らかの形になっているということです。
関連してIT部門ができることについても話をすると、われわれの会社にはIT部門がありません。なぜなら、ほぼクラウドサービスを使っているからです。
Slack、Office365、GoogleAppsなど、いろいろなマネージドサービスを使っているので、チームメンバーがしっかりとITスキルを学ぶ機会があればIT部門はいらなくなってきています。そうすると、もともと運用だけをやっていたIT部門はどんどん小さくなり、その人達は何をするのかとなってきます。
そこは皆さんの議論でも出てきたように、志村さんの言葉で言うと、スペシャリストが必要だし、今の時代で言うとクラウドサービスを熟知していて、ユーザー部門が何かやりたいと言った時に使えるテクノロジが使えるとすぐに提案できる人がいる必要があると思います。
武下氏:なぜIoTというキーワードが日本で普及したかを考えると、ものづくり大国のイメージをまだ持っているからではないかと思うのです。
「モノのインターネット」のモノと、「日本はものづくり」だというところで、古き製造業の人たちが「俺たちの時代が来た」と思った気がしています。
復活の狼煙を上げられそうというところで、IoTというところにみんなヒントを得たと思うのですが、そろそろ「ものづくりだからIoTではないよ」というのも刷り込んだほうが良いと思っていてます。
コマツの事例が有名だから製造業に行きがちなのですが、今までの仕組みを変えたり新しいことをしたい時にIoTがハマったことが成功の例なわけで、物があるからセンサを付けて……という考えは非常に危険というのはありますね。