日本株展望

米6月利上げ確率--米景気は強いか弱いか?

ZDNet Japan Staff 2017年05月16日 11時29分

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今日のポイント

  1. 6月13・14日のFOMCで米利上げが実施される確率を、市場は98%と織り込んでいる
  2. 米1~3月の景気減速は一時的と考えられる。自動車販売の減少が不安視されるものの、設備投資の伸びが高まっていることは、強材料

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

6月利上げの確率は?

 今、世界の金融市場は、6月に米FRBが今年2回目の利上げを実施することを織り込んで動いている。具体的には、6月13・14日のFOMC(米金融政策決定会合)で、FRBがFF金利誘導水準を現行の0.75~1%から、1~1.25%へ0.25%引き上げることを織り込んでいる。

 米FF金利先物に織り込まれた、6月利上げ確率の推移は以下の通り。

FF金利先物に織り込まれた米6月の利上げ確率:2017年4月3日~5月15日


出所:ブルームバ-グ

 4月中は、6月の利上げ確率は50~60%で推移していた。それが5月3日にFOMC声明文が公表されてから、利上げ確率は80%まで上昇した。FOMC声明文で、「1~3月の米景気減速は一時的」という表現があったことが材料視された。

 4月28日に発表された米1~3月のGDPが前期比年率0.7%増と、極めて低い伸びであったため、米景気失速を懸念する声が出ていた。景気減速の見通しがさらに広がれば、米利上げはできなくなると考えられた。そうした思惑が出ている中、FOMC声明文で「景気減速は一時的」という踏み込んだ表現が盛り込まれた。それには、特別な意味があると受けとめられた。

 中央銀行の景気コメントは、どの国でも純粋な景気予測とは見られない。金融政策変更の方向性を示すものとしてとらえられる。中央銀行が景気に強気表明をすることは、金融政策を引き締め方向で動かすという示唆になる。今回の米FRBによる「1~3月の米景気減速は一時的」コメントは、6月に利上げを実施する決意ととらえられた。したがって、FF金利先物に織り込まれる6月利上げ確率は、一気に8割まで上がった。

 5月3日のFOMC議事録で利上げ見通しが強まった後、さらに5月5日発表の4月の米雇用統計がダメ押しとなった。3月に弱含んだ雇用指標が、4月に再び強含んだ。これで金融市場は、6月利上げ確率を90%以上と判断するようになった。

 米利上げ確率の上昇を受けて、ドル高(円安)が進み、円安に反応して日経平均が上昇した。

6月利上げが実施されないとどうなる?

 FF金利先物に織り込まれている利上げ確率は、そのまま実現するとは限らない。この確率は、あくまでもFF金利先物を売買する投資マネーがつけた値に過ぎない。その通りに実現するとは限らない。

 利上げ実施を阻むものとして、以下の2つが意識される。

(1)トランプ政権の意向(政治圧力)

 トランプ大統領は最近、意識して為替や米FRBの利上げにコメントをしないようにしているように見える。ただし本音で話せば、トランプ大統領が米利上げとドル高(円安)に反対していることは、明らかである。

 トランプ政権は、これから景気刺激策を実施し、米景気のアクセルを踏みまくることを計画している。ところが米FRBは、これから利上げを続けて実施する方向だ。利上げするということは、景気にブレーキを踏むということである。

 トランプ政権がアクセルを踏み続けるときに、米FRBがブレーキを踏みまくることを快く思っていないことは明らかだ。

 もし6月FOMCの前に、トランプ大統領が米利上げやドル高を問題視する発言をすると、6月利上げのハードルが一気に高くなる。

(2)世界の株式市場の動き

 トランプ政権は米景気が強く、米国株が上昇を続ける間は米利上げを容認すると考えられる。ただし、米利上げによって世界的に株が下がるようだと、利上げを敵視するようになる可能性がある。今のところ、米国が利上げをしても、世界的に株下落は、起こっていない。

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