Dell EMCは5月9日より3日間、年次イベント「Dell EMC World 2017」を開催した。会期中、14世代目となる「PowerEdge」サーバのほか、ハイパーコンバージドの最新版「VxRail」、オールフラッシュストレージ「XtremIO」などで最新の製品を発表した。クラウドの考え方に沿った課金モデルの提供も約束し、EMCを飲み込んだDell Technologiesとしてのエンタープライズ戦略を打ち出す格好になった。

14世代目となる「PowerEdge」サーバ
Dell EMCを率いるDavid Goulden氏は9日の基調講演で、「ITトランスフォーメーション」をテーマにDell EMCの戦略を説明した。Dell Technologiesはビジネストランスフォーメーションにあたって、IT、セキュリティ、ワークフォースの3分野でトランスフォーメーションを支援するという戦略を敷いている。

「Enterprise Strategy Groupが1000社を対象に調べたところ、ITトランスフォーメーションに着手した企業のうち、完了した企業はわずか5%にとどまった」とGoulden氏。ITトランスフォーメーションはほとんどの企業にとって”これから”という段階であることを表している。「完了した企業はIT投資から大きな成果を得ており、予算の32%をイノベーションに費やしている」とGoulden氏は続ける。
Dell EMCはITトランスフォーメーションに対して、データセンターのモダン化、自動化、トランスフォーメーションの3ステップで進めるよう提案している。
例えば「ビジネスバリューを加速する」というアプリケーション分野では、サーバ仮想化の「vSphere」、ネットワーク仮想化「NSX」、クラウド管理プラットフォーム「vRealize Suite Cloud Management」といった技術を持つVMwareを「クラウド上にある全てのアプリケーションを支える重要な役割を果たす」とする。
SAPなどミッションクリティカル向けのクラウドでは「Virtustream」を持ち、クラウドネイティブアプリケーションの運用ではCloud FoundryのPivotalを擁する。Dell EMC自身もハイブリッドクラウドプラットフォーム「Enterprise Hybrid Cloud(EHC)」を持つ。これらにより、オン/オフプレミス、ミッションクリティカル、汎用、クラウドネイティブのアプリケーションの各種類の全てに対して、運用と管理が可能という。


汎用、ミッションクリティカル、クラウドネイティブそれぞれに対し、VMwareは運用技術を提供、管理技術として、ミッションクリティカルではVirtustream、クラウドネイティブではPivotalをそろえる。