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日本株展望

ロシアゲートに押される--トランプ弾劾に現実味?

ZDNet Japan Staff

2017-05-19 10:49

今日のポイント

  1. トランプ政権を揺るがす「ロシアゲート疑惑」で税制改革を含む米景気対策期待が急後退。米長期金利の低下とリスク回避の円買いでドル円と日本株式は今週下落
  2. 「大統領の弾劾シナリオ」が現実味を帯びてきた。FBI、メディア、ワシントンなど「敵」が増えるばかりの政治的混迷が続きそう。「ペンス副大統領の昇格」で市場は安定化か
  3. 日経平均ベースの予想EPSは1300円を超える最高益に拡大。予想PER別の株価シナリオで試算する日経平均の下値目途は1万9000円割れも、上値目途は2万2000円超を維持

 これら3点について楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

ロシアゲートを不安視したリスク回避が重石

 米国でトランプ大統領の政権運営を巡る不安が募り、米長期金利の低下とリスクオフ(回避)でドル円は下落(円が上昇)。日経平均は2万円の大台を目前に反落した。トランプ大統領によるコミー連邦捜査局(FBI)長官の電撃的解任、ロシア高官への情報漏えい疑惑、米景気指標の減速感などが市場の重石となっている。

 ブックメーカー(賭けサイト)のPredictitによると、「トランプ大統領が2018年末までにホワイトハウスに残っていない確率(オッズ=掛け率)」は42%に上昇している(17日時点)。「ロシアゲート疑惑」とも言われ始めた米国政治を巡る不透明感は、税制改革を含む景気対策への期待や実現性を後退させており、日米市場の「恐怖指数」は再上昇している(図表1)。

図表1:日米株式と「恐怖指数」の推移

図表1:日米株式と「恐怖指数」の推移
注:「恐怖指数」=オプション市場で算出されるボラティリティ指数=投資家の先行き警戒感を示す
出所: Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(5月18日)

トランプ大統領の「弾劾・辞任」はあるか?

 米政治制度における「大統領の弾劾」は憲法で認められた制度で、違法行為で大統領個人の責任を問うものである。手続きとしては、(1)下院が「検察役」となり弾劾訴追を決議、(2)下院の過半数が賛成すれば「弾劾相当」と認定、(3)その後、上院が「裁判官役」となり、3分の2が弾劾に賛成すると、大統領は「罷免(辞任)」に追い込まれる。

 トランプ大統領は就任前からメディア、FBIやCIAなどの情報機関、ワシントン筋(既存の政治家)を批判する発言を連発してきた経緯がある。「ロシアゲート」で大統領の違法性が明らかとなれば、辞任に追い込もうとする勢力は多いとされている。

 「大統領の法律違反発覚→議会での弾劾(辞任)」が現実化する場合、ニクソン大統領(1974年)以来約43年振りとなる。とは言っても、こうしたプロセスには相当長期の議会審議が必要となるため、市場の不透明感が長引く可能性もある。

 1972年6月に発覚した「ウォーターゲート事件」(首都ワシントンDCの「ウォーターゲート・ビル」にある民主党全国委員会本部に盗聴が仕掛けられた事件)では、ニクソン大統領の関与と「もみ消し工作」に疑惑が深まったが、結果として下院司法委員会が弾劾を可決し、同大統領が自ら辞任したのは1974年8月だった。

図表2:ドル円、米長期金利、為替のリスクリバーサル

図表2:ドル円、米長期金利、為替のリスクリバーサル
注:ドル円のリスクリバーサル指標=ドル円の先行き警戒感が強まると低下、警戒感が緩和すると上昇する
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(5月17日)

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