人々の働き方が変化している。従来型のオフィスは姿を消しつつあり、チームは常時つながっているが、実際に顔を合わせることの少ないリモートワーキングやホットデスキング、オンラインコラボレーションが普及してきている。
最高情報責任者(CIO)はどのようにして、自社のそうした状況に対処しようとしているのだろうか。米ZDNetは複数の専門家に話を聞いた。
時々集まり、常時つながっている従業員を管理する
CIOからデジタルアドバイザーに転身したIan Cohen氏は、2014年末に保険ブローカー会社Jardine Lloyd Thompson GroupのCIOを辞任し、現在では、さまざまな優良企業や新興企業が最先端のテクノロジを最大限に活用できるよう支援している。
「現在では、その時々にクライアントがいる場所が私の職場である。そうしたアプローチは今は珍しいかもしれないが、テクノロジや社会の変化によって、仕事の将来はそうした柔軟性に向かって変わっていくだろう」(Cohen氏)
「多くの企業は、人々がモバイル技術を使って、企業のネットワークに時々接続するような、たまにつながる従業員を管理するという問題に慣れている。現在では、個々の従業員が常につながっている。しかし、仕事の性質は変化し続ける」(同氏)
Cohen氏によると、未来のビジネスは拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、さらには自動運転車などのテクノロジを利用して、仕事の全体的な性質を劇的に変化させるという。また、多くの企業は、時々集まり、常時つながっている従業員の管理に関連する劇的な変化に対して、十分な準備ができていないという。
「今後、大きな問題が起きると思う。常につながっているが、物理的に頻繁に顔を合わせるわけではない従業員に対処する方法について、組織は真剣に考える必要がある」(Cohen氏)
「従業員が一堂に会することはあまりないかもしれないが、幹部としてアイデンティティとアイデア、目的を作り出したいと考えるだろう。これらは全て、通常なら物理的に他者が近くにいることで出てきていたものだ。そうした物理的な近さが失われたとき、組織はどのような姿になるのだろうか。そして、組織はどのように行動するのだろうか。多くの幹部はその影響や対処方法について、考えてこなかったと思う」(同氏)
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