海外コメンタリー

フレキシブルワーキング実現へ--企業に変化を促すためのヒント - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-05-22 06:30

テクノロジを利用して、従業員間の距離感を維持する新しい方法を見出す

 そうした変化は既に顕在化しつつある。人事と人材開発の専門機関であるCIPDの調査結果によると、英国成人の約4%が「ギグエコノミー」で働いているという。つまり、英国の約130万人はインターネットやオンラインプラットフォームを通して、自分の時間やスキルを提供している。

 新しい働き方は、従来の職場にも浸透し始めている。Vanson BourneがTelstraに代わって実施した調査によると、自分の組織が今後12カ月以内にリモートワーキングをサポートする予定だと述べた英国のITおよび経営意思決定者は71%にも上ったという。約3分の2(61%)の幹部は2017年にホットデスキングが正式にサポートされると考えている。

 AstraZenecaのCIOを務めるDave Smoley氏は、フレキシブルワーキングのサポートに熱心なITリーダーの1人だ。Smoley氏は、「われわれは非常に動的な組織である。人々に自分が最も効率的にできると思う場所で働いてもらえる体制を整えている。われわれはビデオ会議に多額の投資を行ってきた。私はどこにいても、社内のあらゆる人間とビデオ会議をすることができる。そのとき、Ciscoのテレプレゼンススイートを利用することもあれば、普通のノートPCやスマートフォンのアプリケーションを利用することもある」と話す。

 同社は2016年、年次の上級幹部会議を遠隔地間で行った。Smoley氏によると、同社は上級幹部のバーチャルミーティングを定期的に開いており、それらの会議は最大250人の参加者に対応できるという。このリアルタイムの会議では、世界中の人々が出席してコミュニケーションをとり、共同作業を行うことができる。Smoley氏は、「われわれがこのテクノロジを配備しているのは、柔軟性を実現して、いつも通りの業務活動を行うためだ」と話す。

 Diageoの最高生産性責任者を務めるBrian Franz氏も、そのアプローチに共感する。Franz氏によると、Diageoも可能な限り多くの選択肢を提供することに熱心なのだという。「あらゆる企業と同様、フレキシブルワーキングは、今も進行中の継続的な取り組みという側面がある。利用可能なテクノロジが急速に変化しているからだ」(同氏)

 同社は会議を行うときはウェブ会議を使用しており、電子メールやメッセージング、「Yammer」、自社のイントラネット「Mosaic」を通しての社内コラボレーションを促進するため、統合コミュニケーションも導入済みだ。

 「われわれは可能な限り多くの側面に対応するが、この取り組みに終わりがないことも認識している。われわれは自分たちのアプローチを改善し、テクノロジを利用して人々の緊密さを維持する新しい方法を見つけようとしている。われわれは大規模な多国籍企業において、起業家精神にあふれた俊敏な組織の感性を育みたいと考えている」(Franz氏)

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