光華女子学園(京都市)がNutanixとCitrix XenDesktop/XenAppで全学の仮想デスクトップ基盤(VDI)を構築し、4月から稼働させている。5月23日にネットワールドが発表した。
VDIにはハイパーコンバージドシステムを採用し、通常は1週間程度を要するインフラの構築作業が半日で終了した。今回VDI化されたは、PC教室用のクライアント50台と、教職員用のクライアント60台。
PC教室向けには、XenDesktopのMCS(Machine Creation Services)で一律のデスクトップ環境を提供する。教員用のうち30台は、多種多様なアプリケーションを利用することからフルクローンで環境を構築し、Nutanixのクローン機能を使って通常は1時間以上かかる展開作業を30分程度で完了した。職員用の残る30台はXenDesktopのMCSとXenAppを組み合わせて、イメージ作成・管理の手間を省きながら、必要なアプリケーションを活用できる環境とした。
システム図
本格稼働した後は、ログイン時間が以前の10分の1程度に短縮した。また、PC教室以外にもさまざまな場所に設置されている端末に対し、従来はキャンパス内を移動してメンテナンス作業をしていたが、現在は全ての作業をサーバ側で一括して行う。さらに前の講義が長引いても、迅速に次の講義を始められるようになり、教員の要望に対して迅速に対応できるようなった。
Citrix XenDesktopとXenAppは、Nutanixの無償ハイパーバイザ「AHV」に対応し、VDI化のコストを最小限に抑えられるという。多彩な運用管理機能、柔軟なポリシー設定機能を備える点も選定ポイントになった。また、Nutanixの運用管理ツール「Prism」が直感的に操作できることも評価したという。
光華女子学園は、これまでPCを設置していたが、OSやアプリケーションの更新、セキュリティへの対応に多くの手間と工数を費やし、教員の要望へすぐに対応できない、メンテナンス時間を確保できない、新年度の準備に時間を割けられない、といった課題を抱えていた。
以前は一部の学科でVDIを構築していたが、小規模では費用対効果が低く、PCと比較してレスポンスが遅いなどの理由から数年で運用を終了した。その後、ウイルス対応などイレギュラーな問題が発生し、本来の業務にも支障が生じたため、大規模なVDI化プロジェクトを計画。ネットワールドの支援で今回のVDI化を実施した。
今後は、学内セキュリティの向上を含めたVDIの導入メリットを生かし、対象台数を今後600~650台程度にまで増強するという。