未経験者がCDOに就任し、優秀なCDOが引き抜かれる
CDOの経歴と経験についての調査からは、CDOには即戦力が求められないことが分かるという。
「CDOの在任期間は平均で2.4年。83%のCDOが1~3年しか経験していない」(Popkin氏)
CDOの従前の役職では、データおよびアナリティクスを担当する役職からの就任が63%で最も多い。営業やマーケティング出身者も16%いる。この一方で、「従来型のIT部門出身者は、わずか9%しかいない」とPopkin氏。
また、CDOとして成功を収めると他企業に引き抜かれる。特にニューヨークのウォールストリートなどにおいて、保険や金融業界で成功したCDOが引き抜かれるという。Gartnerの予測では、「2020年までに優秀なCDOへの需要が増加するため、CDOの25%が転職する」としている。
求められるのは「経営課題をデータで解決する能力」
CDOに必要な責務の1位は、「データとアナリティクスの能力を創出し、維持するために組織が変革を必要とする中で、それを推進し促す者として振る舞う」である、67%を占めた。
CDOが所属する業界は、銀行/金融が28%で1位だった。他にはサービス(ITを含む)が26%、保険が10%と、上位にはデータの活用が事業に影響を与える業種・業界が挙がった。
CDOの上司について調べると、CEOが1位で30%を占めた。Popkin氏によれば、これは順当な結果であり、「2位には最高情報責任者(CIO)が16%で続くが、わずか16%しかいないという点がポイントだ」と指摘する。
Gartnerの予測では、「2019年末までに、大企業の90%がCDOを採用する。そして、そのうち50%だけが『成功した』と認められる」としている。