米Citrix Systemsにとって創業以来の盟友である米Microsoft、その関係はクラウド時代も継続している。Citrixが5月26日まで米フロリダ州オーランドで開催した年次イベント「Citrix Synergy 2017」では、Microsoftとの協業の成果を発表するとともに、Citrixは2016年のSynergyでクラウドに大きく舵をとった。
そこで発表した「Citrix Cloud」は「Microsoft Azure」を優先クラウドパートナーとしており、「Windows 10」をクラウドで実装できる「XenDesktop Essentials」などの計画を発表した。
24日に基調講演を行なった最高経営責任者(CEO)Kirill Tatarinov氏は、「2016年のSynergyで発表したことは全て実現した」と胸を張る。
XenDesktop Essential、アプリケーション仮想化と画面配信のXenApp EssentialsはAzure Market Placeで提供済みで、「提供から数ヶ月で数百のユーザーがいる」と言う。
また、XenMobileとMicrosoftのEnterprise Mobility and Security(EMS)の統合も「最終段階」であり、間もなく提供を開始するという。これにより、顧客はMicrosoft EMSからCitrix Secureモバイルアプリケーションを管理できる。EMSではまた、NetScaler VPNのMicrosoft EMS Mobile Application Managementへの組み込みについても作業が進んでいるとのことだ。
午後のテクニカルキーノートで披露したデモでは、Citrix Secure MailアプリとIntune SDKの統合により、データ保護ポリシーが適用される様子を見せた。WordからCitrix Secure Mailに移動しようとするとモバイル アプリケーション管理(MAM)のPINが要求され、ユーザーがこれを入力することでCitrix Secure MailでMAMが有効になる。これにより、Wordのドキュメントからのコピー&ペーストが可能だが、個人用のメールアカウントではペーストができない。

Intuneとの統合により、個人用メールでは業務ドキュメントからのコピー&ペーストができない
デモを行ったMicrosoftのエンタープライズモビリティ担当コーポレートバイスプレジデント、Brad Anderson氏は「ITは管理を共通化でき、ユーザーは体験が改善する」とメリットを強調した。

MicrosoftのBrad Anderson氏(左)とCitrixでプロダクト&テクノロジー担当シニアバイスプレジデントを務めるPJ Hough氏(右)