ソフトウェアを最大限活用するためのハードウェアが必要
昨今のサーバ分野は、ソフトウェアの進化が目立つ。例えば、分散型のSDS(Software Defined Storage)とサーバ仮想化ソフトを組み合わせてスケールアウト構成のHCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャ)を実現する、といった具合だ。この一方で、「ハードウェアが何でもいいかというと、決してそういう話ではない」と同社は主張する。
HPE データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部 サーバー製品本部の尾崎亨氏
「以前はハードウェアを最大限に活用するために、仮想化などのソフトウェア技術が進展した。だが現在は、ソフトウェアを最大限に活用するためにハードウェアはどうあるべきか、という着眼が生まれている」(データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部サーバー製品本部の尾崎亨氏)
進化したハードウェアの例として同社は、クラウドサービスのように動的にシステム構成を組み替えられる物理サーバ、というコンセプトを挙げる。このコンセプトを具現化した製品が、コンポーザブル(組み換え可能な)インフラストラクチャを標榜するHPE Synergyだ。
HPE Synergyはブレード型のシステムで、サーバ(CPUとメモリ)、ストレージ、ネットワークなどのコンポーネントをリソースプール化する。ここから必要なリソースを切り出し、個々のシステムに割り当てる。あたかも仮想サーバであるかのように、Web APIを介してシステムを動的に構成できる。
オンプレミスに設置する製品だが、資産はHPEが所有する形になり、クラウドサービスのようにユーザー企業の利用状況に応じた月額課金型で提供。CPUコアやストレージ領域、ネットワークポートなどの単位で課金する。あらかじめ必要な容量を契約し、契約量から37.5%ほど多めに余剰リソースをオンプレミスに設置する。
将来は、HPE Synergyのサーバ内部の配線を光化し、共有リソースの微細化を図る。現状では、ストレージやネットワーク機能はリソースプール化できているものの、サーバ(CPU/メモリ)はリソースプール化されておらず、サーバモジュール単位で割り当てられる。将来はCPUとメモリも共有プール化して、リソースを切り出せるようにする意向だ。