海外コメンタリー

「大きな充実感」を持つCIOは39%--影響力アップ、取締役会で発言も - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-05-30 06:30

自信を持って前に進む

 未来のIT職の役割は、運用に関連する業務から、ビジネス向けテクノロジを支援して成長を実現することに比重が移るだろう。忙しいCIOは、さまざまなテクノロジのエコシステムを構築して、サービスが主導する事業の変化を推進することに時間を費やすようになるだろう。

 そうした方向への動きの兆候は、既に明白だ。10年間で初めて、10人中7人以上(71%)のCIOがCIOの役割について、より戦略的になっていると考えている。この10年間に獲得したスキルによって、CIOは企業を未来に向かって先導していくのにふさわしい立場に立ったようだ。「CIOの役割は、ITを主導する人間から、企業における変化の主体者へと変わった」とMitchell氏は述べる。

 今でもCIOは3種類に分類できるとMitchell氏は考えている。最高財務責任者(CFO)に直属するオーバーヘッド、ITを管理するサービスプロバイダー、そして、変革を主導する、変化の主体者の3種類だ。変化の主体者はCIOや最高デジタル責任者(CDO)、変革担当ディレクターなど、広範な役割や肩書きを含む場合がある。

 成功を収めるデジタルリーダーは開放的かつ外向きで、企業が多種多様なアプリケーションプログラミングインターフェース、そしてプロバイダーやスタートアップ、非競合的な企業など、テクノロジコミュニティーのさまざまなパートナーを活用できるように支援する。

 調査では、既にCIOがITと全く関係のない仕事に勤務時間の約15%を費やしていることが分かった。こうしたトレンドは今後、より顕著になっていくだろう。従来の職務と異なる仕事がCIOの勤務時間に占める割合は、ますます拡大しているからだ。

 有能なデジタルリーダーなら、運用と設備など、ほかの非IT職務も統括するチャンスを見つけるかもしれない。CIOがより広範な企業イニシアチブの責任を与えられていることを示す兆候がある。これらのプログラムは必ずしもITが関連するわけではないかもしれないが、ほぼ必ずと言っていいほど、変化や変革が絡んでいる。

 したがって、成功するCIOはIT部門の向こう側を見据えている。賢いITリーダーは、独立したテクノロジ戦略を策定するのではなく、自らの組織が高度なデジタル事業戦略を開発できるように支援する。こうして、戦略的思考において中心的な役割を果たすことが求められるようになったため、この12カ月の間に取締役会に出席したCIOは92%に上る。

 実際に今、最高経営責任者(CEO)に直属するCIOの数は、過去最高の水準に達している。2005年、CEOに直属するCIOはわずか5分の2以下(38%)だった。現在では、それが62%に増えている。現代の組織は、より広範な変更管理プロセスに関してCEOを助けることのできる、テクノロジに詳しい幹部陣を求めている。

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