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ブロックチェーンはビジネスをいかに変革しうるか - (page 2)

Jason Hiner (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-06-01 06:30

ブロックチェーンが社会にもたらす混乱

 ブロックチェーンの鍵は信頼にある。

 現代の社会や世界経済は、政府や銀行のほか、今ではGoogleやFacebookといった大手インターネット企業のようなパワフルな仲介者に対する信頼に基づいている。ビジネスの世界では、一握りの企業や資産家らが信頼された仲介者としてトランザクションの間に入るという業態によって、そのトランザクションから何らかの価値を引き出している。

 Tapscott氏によると、こういった仲介者は極めてよい仕事をしているが、できることには限界があるという。同氏は「彼らはコストをかけつつ、ものごとのスピードを低下させている」と述べるとともに、「中央集中化されているものはすべて脆弱なのだ」と続けた。

 しかし、彼らは何よりもまず、自らが提供するものから「非同期の利益を得ている」という。言い換えれば、彼らはほとんど価値を追加していないにもかかわらず、ありあまるほど多くの利益を得ているのだ。彼らにとって業務を継続していくうえでの重要な要素は信頼であり、それは彼らが存続し続けるという人々の認識の上に成り立っている。

 一方ブロックチェーンは、毛色の違った信頼に基づいている。それは中央集中を排し、一般大衆が管理することで、一個人や一組織による操作や統制を不可能にしているという事実から来ている。これは究極的により強固な信頼をもたらすものであり、業界大手のThe Economist誌は「The Trust Machine」(信頼装置)と呼び、The Wall Street Journal誌は「democratization of trust」(信頼の民主化)と呼んでいる。

 こういった信頼は、仲介者を必要とせずに、通貨形態を生み出したり、文書を検証したり、投票を記録したり、デジタル資産を移動したりするために利用できる。

 Tapscott氏はこれを、「情報のインターネットから価値のインターネット」への進化という点で、インターネットの第2世代と呼んでいる。

 多くの企業がコンシューマーと製品の間でやり取りされるトランザクションの仲介者となって収益を得ている。このため、さまざまな業界におけるビジネスのあり方に変革が訪れることになる。Tapscott氏は「ブロックチェーンは世界中のさまざまなビジネスに大きな影響を与えようとしている」と述べた。

 そして、影響を受けるのは業界におけるフットワークの鈍い大手企業だけではない。Tapscott氏は「ブロックチェーンはディスラプターを混乱させるディスラプターだ」と述べるとともに、「これによって、4〜5年しかたっていないビジネスモデルにも変革の波が押し寄せる」と述べた。

 例えばUberを考えてほしい。同社は自動車を持っているドライバーと、自動車でどこかに行きたい人々を仲介して収益をあげている。つまり、Uberはドライバーと乗客の身元や評判、そして彼らの間の社会的な契約、支払いを管理しているわけだ。将来的に、こういったことすべては、個人がトランザクションに必要となる適切な情報を共有するだけで、ブロックチェーン(またはブロックチェーン上で稼働するサービス)によって扱われる可能性がある。そしてトランザクションの効率化によって削減されたコストは、当事者双方に還元できる。


スペインのマドリードで開催されたDigital Business World Congressの2日目の基調講演で語るAlex Tapscott氏
提供:Jason Hiner/TechRepublic

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