しかし、IPOは単なるメカニズムであり、1つの通過点でしかありません。本当のゴールは、わが社のミッションを達成することです。あまり公の場で説明したことはないのですが、わが社のミッションは、世界がデータを理解できるようにすることです。それが、わが社の永遠のミッションステートメントであり、真の目標です。
2011年に、2020年にIPOを行うと話しましたが、今では、将来、株式公開を行えるだけの数字を確保できる自信があります。
しかしこれは、集団心理である「市場」次第です。今後は条件が悪くなる可能性もあります。IPOは2019年になるかもしれませんし、21年になるかもしれません。これを完全にコントロールすることはできません。私がコントロールできるのは、この会社だけです。
IPOについては、これくらいでしょうか。
--競争が激しくなっていることについては、どう考えていますか?
この市場には、ここ12カ月から18カ月で、世界有数の大企業が何社か参入しました。Oracle、IBM、SAPは3社ともグラフデータベース機能をリリースしています。他にも例はいくらでもあります。
これはもちろん、従業員数150人の小さな企業にとっては、恐ろしいことです。しかし、この分野を生み出したのはわれわれです。われわれが、グラフという言葉とデータベースという言葉を結びつけ、それを広めました。今ではわが社は、どんな客観的な指標でも、屈指のグラフデータベース企業です。どんなアナリストでも、わが社は世界屈指のグラフデータベース企業であると言うはずです。しかし、状況はすぐにも変わる可能性があります。
確かに、わが社は最近大規模な調達ラウンドを実施し、3000万ドル以上の資金を調達したところですが、状況はすぐに変化するものです。相手はIBMやOracleやSAPです。これらはみな、しっかりした大企業ですから、もちろん恐ろしいに決まっています。
しかし、100%正直に言えば、怖いと思っている時間は1%にすぎません。残りの時間は「これは素晴らしいことだ」と感じています。わが社が成功するためには、グラフデータベースの分野自体が成功する必要があるからです。
私はクラシックピアノを弾くので、1人では合唱はできないことを知っています。長い間、この市場にいるのはわれわれだけだったのに、今では他の人たちが一斉に「グラフデータベースは凄い」と叫んでくれています。今ではみんなが一緒に歌を歌い、同じことを言っているのです。