3DプリンタのCarbonが創業4年目にして重要な時期を迎えている。4月、CarbonはAdidasとの提携を発表、Adidasの3Dプリンタシューズを手掛けることになった。Carbonが成長に向けてバックエンドに選んだのが、Oracleのクラウド製品だ。「急成長フェーズに入るに当たって、システムが支障にならないように」とCarbonでビジネスオペレーションを統括するChris Hutton氏は言う。
3Dプリンタの普及がじわじわと進む中、CarbonはCLIP(Continuous Liquid Interface Production)と呼ばれる技術により、高品質ながら高速な造形スピードを実現するのが売りだ。「(3Dプリンタの普及にあたって)速度、パーツの品質などの課題があったが、われわれは注入と同等の速度で成形ができる」とHutton氏。
Carbonは4月7日、重要な発表を行った。Adidasとの提携だ。AdidasがCarbonの最新の3Dプリント技術「Digital Light Synthesis」でシューズを製造することになった。酸素透過性光学液体樹脂を使用することで高いクッション性を実現するとしており、まずは限定的に製造する。その後年内に5000足を製造し、量産化を進めることになっている。
Hutton氏はビジネスオペレーション担当ディレクターとして、Carbonの人事、財務、購買などのバックエンドシステムを担当する。現在の社員は約200人、だがベンチャーキャピタルから2億2000万ドルを調達している同社は、Adidasとの提携を機に急成長を狙っている。それにあたって「システムが邪魔になっては困る」と、Hutton氏が選んだのがOracleのERP、HCM、EPM(Enterprise Performance Management)、SCM、Service Cloudといったクラウド製品だ。