また、企業の側もOSSをいかに活用するかという視点でしか、議論しかしていませんでした。
今はそれだけでは不十分で、単に活用するだけではなく、開発コミュニティに入っていき、自社で実現したいサービスに必要な機能を取り入れるための活動や信頼性向上のための活動をしなければいけないようになってきています。
しかし、先ほどの「OpenHub」には、こんなデータもあります。
先ほどご紹介した約67万プロジェクトのうち、動態を把握できているのは約28万プロジェクトに過ぎず、そのうち、84.4%のプロジェクトは活動がなく、活発に活動しているのは、たった1.8%にすぎません。
OSS化すれば、必ず「オープンイノベーション」が実現できるわけではないということもご理解いただけると思います。
活動状況 | 比率 |
---|---|
Inactive | 84.4% |
Very Low | 11.9% |
Low | 1.6% |
Moderate | 1.2% |
High | 0.4% |
Very High | 0.2% |
New | 0.4% |
今後は、会社や国の壁を超えて、ソフトウェアを開発するスタイルが今後普及していくようになると思います。
日本企業がオープンイノベーションが得意だという印象はありませんが、まずOSSの開発コミュニティに積極的に参画していくことが”イノベーション”のきっかけになるかもしれません。
※本文中記載の会社名、商品名、ロゴは各社の商標、または登録商標です。
- 吉田行男
- 日立ソリューションズ 技術革新本部 研究開発部 主管技師。 2000年頃より、Linuxビジネスの企画を始め、その後、オープンソース全体の盛り上がりにより、 Linuxだけではなく、オープンソース全般の活用を目指したビジネスを推進している。現在の関心領域は、OpenStackを始めとするクラウド基盤、ビッグデータの処理基盤であるHadoop周辺及びエンタープライズでのオープンソースの活用方法など。