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セキュリティの懸念高まる産業用制御機器

生産活動のデジタル化とは? 日立が示した次世代の製造モデル

怒賀新也 (編集部)

2017-06-01 07:30

 日立製作所は5月31日、東京・丸の内の本社で記者説明会を開催し、IoTを活用した製造現場向けの新たな施策について説明した。作業進捗をリアルタイムに可視化する「進捗・稼働監視システム」と、ボトルネックとなっている作業の早期改善を支援する「作業改善支援システム」を、7月から製造業向けに提供する。日立の大みか事業所で導入しているシステムを商品化するもの。

 新システムは、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」に組み込む。今回提供するシステムを含めて、今後はより精度の高い生産スケジュールを立案する「生産計画最適化ソリューション」の開発に注力する。

 背景に、製造業で各消費者の要望を取り入れて生産するマスカスタマイゼ―ションが進む中で、具体的な手段として各産業ともデジタル化に取り組んでいることを挙げる。例えば、超短納期の受注や急な納期および仕様変更、生産計画の頻繁なやり直しなどが発生するようになり、ものづくりの現場では生産遅延や生産スループット低迷、設備稼働率の低下といった課題が目立ち始めているという。

 日立は、「人・モノ・設備」などのリソースを最大限に活用して生産性を高める必要があると考え、大みか事業所での実証を基に、IoTプラットフォーム「Lumada」の産業分野向けソリューションのコアとして商品化することを決めた。

 発表した進捗(しんちょく)・稼働監視システムでは、まず生産計画や作業実績など情報をデータベースに集約する。そこから生産の進捗や稼働状況を表示することで、生産リソースの最適配置や実績に基づく生産計画の立案を促すなど、改善作業を進められる。

進捗・稼働監視システム
進捗・稼働監視システム

 一方の作業改善支援システムは、ボトルネック作業の自動抽出が主な役割だ。ボトルネックを抽出して作業映像や指示図を表示することにより、作業改善サイクルを短縮できるようにする。

 今後は、2つの新システムを含めて生産計画最適化ソリューションへと進め、現場のビッグデータ解析や人工知能(AI)活用、自動学習をベースにしたシミュレーション技術を用いた生産計画の最適化を実現できるようにしていく。

日立製作所の制御プラットフォーム統括本部大みか事業所で、情報制御第三本部の本部長を務める大橋章宏氏
日立製作所の制御プラットフォーム統括本部大みか事業所で、情報制御第三本部の本部長を務める大橋章宏氏

 大みか事業所では、生産改革を掲げて、電力や社会産業分野向け制御装置などの代表製品で、生産リードタイムを50%短縮したという。日立製作所の制御プラットフォーム統括本部大みか事業所で、情報制御第三本部の本部長を務める大橋章宏氏は、今回発表したソフトウェアやRFIDを用いた生産監視システムなどを用い、「工場全体にわたる生産シミュレーションの見直しや、工程の組み替えといった施策を積み重ねたことで達成した」と話す。

 今後、大みか事業所で製造する他の製品にも高効率生産モデルを適用し、システムの精度と汎用性を高める。顧客企業やパートナーにも大みか事業所を公開して、高効率な生産モデルとして情報を共有しながら、Lumadaの主要システムの1つへと引き上げていく。

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