閉域でのAWS利用が企業のクラウド活用の鍵? 「クラウドゲートウェイ」を開発したNTT東
AWSクラウドを利用するにあたって、データを安全に移行させるために自社フレッツ回線から接続するゲートウェイを開発したのが東日本電信電話(NTT東)だ。同社は、企業が総会などで利用するライブ映像配信サービス「ひかりクラウド スマートビデオ」、授業中継やカリキュラム管理など教育機関向けの「ひかりクラウド スマートスタディ」などでAWSを利用しているが、そこで社内開発したゲートウェイを「クラウドゲートウェイ」として製品化している。
同社取締役 ビジネス開発本部 副本部長兼第一部門長の中村浩氏は、「コスト、スピード、アジリティの3つからAWSを選んだ」という。コストは「単に価格が安いだけではなく、機能と価格のバランスが大切」だったという。スピードは市場投入までのスピードだが、速度に加えて「タイムリーな市場投入をして要求をしっかり汲む必要がある」という。アジリティでは、「要求条件が変化する中で柔軟に対応する」点を評価したという。
だがこのようなAWSの特徴に加え、「(クラウドゲートウェイにより)フレッツ光の高速、閉域の機能と直結することで実現する”閉域でのAWS利用”というセキュリティ面の安心感があった」と中村氏。これこそがAWSがNTT東で使われるようになった理由だと説明する。

社内でAWS利用にあたって使ったものを商品化した「クラウドゲートウェイ」
中村氏は、今後企業のクラウド活用にあたってクラウドゲートウェイが重要な役割を占めると見ている。「企業は情報セキュリティ、通信速度など、クラウド利用に不安を感じており、これをクラウドゲートウェイは解決する」と中村氏、アクセス網の光化カバー率は9割以上に達しており、光アクセスサービスはNTT東と西合わせて2000万契約という。「これらがAWSと直結することにより、日本はAWSと企業が最も近く、太くつながる国になるのではないか」と展望した。

同社取締役 ビジネス開発本部 副本部長兼第一部門長の中村浩氏