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「どうやって動くか知らなくていい」--リクルートが注力する“量子コンピュータ”研究 - (page 3)

田中宗

2017-06-06 07:00

 本橋:高性能のマシンを作ることはもちろん大事なのですが、便利なAPIや自動チューニング機能など、より使いやすいマシンを提供するということも大事だと思います。それによって、多くの開発者に広まればと思います。

 棚橋:マシンだけで完結せずにソフトウェア設計まで考慮した上でハードウェアの設計がなされると、より実用的で使いやすいマシンになると思います。

 また、解きたい問題によって必要なハードウェアの性能は異なってくるため、実際に量子アニーリングが社会のどこで役に立つのかを調べることは重要だと思います。

ーー実活用に向けた活動を本格化するということですが、いつ私たちは量子アニーリングの恩恵を感じるサービスを享受することができるのでしょうか。


D-Wave Systemsのウェブサイトから引用

 本橋:最初は裏側で密かに使われているという感じなので、すぐには実感されないと思います。

 ですが、数年以内に、日々使っているサービスのレコメンド内容が現在より非常に魅力的な内容になっているとか、計算量がネックになっていて存在しないサービスが実現可能になるとか、そんな未来を目指していきたいと思います。

 棚橋:今まで実現できなかったようなサービスを作るというのは非常に魅力的ですね。

 単に計算が速くなったで終わるのではなく、それを多くの人達が享受できるような仕組みができることで量子アニーリング自体がより魅力的になっていくと思います。

 まずは多くの開発者が気軽に量子アニーリングにアクセスできるようなハード、ソフトの環境が整う必要がありますが、これは1~2年とか割と早いスケジュールでやってくると思います。

 一旦環境が整備されたら、AWSのクラウドサービスのような形で気軽に利用できるようになり、量子アニーリングを利用したサービスの開発は一気に加速するのではないかと考えています。

 高柳:先ほどの話にも関連しますが、ユーザーが増えることによりハードウェアの開発がより実活用志向になってくると考えています。

 そうなれば、量子アニーリングを利用することで、より意味のあるサービスを創出することができるようになると考えています。

田中 宗(たなか しゅう)
早稲田大学高等研究所准教授、JSTさきがけ研究者
博士(理学)。近畿大学量子コンピュータ研究センター博士研究員、東京大学大学院理学系研究科にて日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学基礎物理学研究所基研特任助教、早稲田大学高等研究所助教を経て、2017年より現職。また、2016年10月よりJSTさきがけ研究者を兼任。専門分野は物理学、特に、量子アニーリング、統計力学、物性物理学。NEDO IoTプロジェクト「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」委託事業における「組合せ最適化処理に向けた革新的アニーリングマシンの研究開発」に従事している。量子アニーリングの研究開発を加速させるため、多種多様な業種の方々との情報交換を積極的に行っている。

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