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エネルギー情報分析で産業ロボットの異常を検知--IPAが実証実験

IPA/SEC 寄稿 鈴木恭子

2017-06-07 09:21

 独立行政法人情報処理推進機構 ソフトウエア高信頼化センター(IPA/SEC)は5月31日、産業ロボットシステムとエネルギー管理システムを連携する「異分野間連携に関する実証実験」の報告書を公開した。

 

 同実証実験は、今後普及が進むと予想されるスマート工場内のシステム構築時において、どのように安全性/高信頼化対策を講じるかを想定したもの。連携した機器/システム間の異常の波及や、1つの機器に対して複数の制御指示が集中した際の異常の発生といった課題を確認した。実験期間は2017年2月から3月までの2カ月間で、IPAのほか、「ORiN協議会」、ECHONET Liteの推進母体である「エコーネットコンソーシアム」、神奈川工科大学が参加した。(関連記事

 実証実験では、製造ラインのロボット・機器を制御する産業ロボットシステムと、工場内の照明/空調といった機器を管理するエネルギーマネジメントシステムを連携させた。そのうえで、生産監視システムで一元的に制御する分野間連携システムを構築した。

 

実証実験の分野間連携システム(概要)。「異なる2つの情報を組み合わせた監視機能の実現性」と「制御指示の矛盾検出と波及防止機能の実現性」を確認した

 異なる2つの情報を組み合わせた監視機能の実現性では、次のような実験を行った。

 まず、産業ロボットの生産稼働データとエネルギー管理システムの電力データの相関性を示すデータを取得する。具体的には、製品1つを加工するサイクル(1加工サイクル)あたりの電力量を測定する。次に、正常時に取得した測定値を記録しておく。その上で、製造ラインを稼働させ、特定機器の電力量を測定する。その結果、過電流や漏電などの異常の兆候を示す状態では、1加工サイクルあたりの電力量が正常時と比較して増加していることを確認した。

 一方、制御指示の矛盾検出と波及防止機能の実現性では、空調に対するパワーオンとオフの矛盾した指示を一定時間繰り返した。これにより異常を検知することを確認した。

 実証実験を担当したIPA/SEC研究員の丸山秀史氏は、「今回の実証実験で確認した2つの機能は、異常の早期検出に効果的であることを確認できた。具体的には、機器の内包不良、老朽化による故障、サイバー攻撃によるセキュリティ異常、1つの機器に対して複数のシステムから同時に異なる制御指示が出されたといった異常だ。今回の実証実験は、システムの稼働時間が収益に直接影響する中小企業の工場において、ダウンタイム回避による運用・保守の効率化、生産性の向上につながる対策として期待できる」としている。

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