Juniper Networks 最高経営責任者のRami Rahim氏
Juniper Networks 最高経営責任者(CEO)のRami Rahim氏は6月5日、都内で記者会見を開き、クラウドインフラやセキュリティ分野におけるサービス強化に注力するとの事業戦略を発表した。
同社の2016会計年度売上高は49億9000万ドルで、2期連続の増収を達成。2017会計年度の第1四半期は前年度期比11%増となり、Rahim氏は3期連続の増収に向けて好スタートを切れたと強調した2016会計年度中に、主要顧客を通信事業者、大企業、クラウドサービス事業者の3つに定め、各顧客の業界に向けた戦略展開が成長要因だと説明している。
特に、クラウドサービス事業者向けビジネスが前年比25%の成長を遂げ、大企業のデータセンター向けビジネスでもスイッチ製品のQFXシリーズが50%以上の成長を記録したという。セキュリティサービス「Software-Defined Secure Networks」(SDSN)などのサービスビジネスも同14%増になった。
Rahim氏は、短期的には企業システムのクラウド移行ニーズに即したネットワーク製品に注力しつつ、長期的にはクラウドインフラ向けのネットワークやSDSNのサービスを強化していく方針を表明した。
ジュニパーネットワークス 代表取締役社長の古屋知弘氏
日本市場の戦略についてジュニパーネットワークス 代表取締役社長の古屋知弘氏は、通信事業者における第5世代(5G)携帯電話網への設備投資と、企業のサイバーセキュリティ強化やクラウド移行、ITインフラ運用の自動化、IoTが商機になると説明。Rahim氏に掲げる戦略を踏まえ、パートナーとの協業を推進していくと述べた。
同氏は、「ジュニパーは通信事業者向けのハイエンド製品を手掛けるメーカーとの印象が強いものの、実際には企業や研究機関のデータセンターネットワークにも広く採用されている」とも述べ、同社のオープン戦略が幅広い業種の顧客獲得につながっていると話す。
記者会見ではSDSNの新機能も発表。管理機能の「Policy Enforcer」で新たにCisco製スイッチをサポートしたほか、Microsoft AzureおよびVMware NSXとの連係によるセキュリティ機能の強化を図った。マルウェア対策サービスの「Sky Advanced Threat Prevention」にメール分析機能を追加し、マルウェア感染を狙うスパムメールへの検知/防御能力を向上させたとしている。
Software-Defined Secure Networksの主な強化内容