セキュリティとクラウドのサービスに注力--ジュニパーCEOが戦略説明

國谷武史 (編集部)

2017-06-06 07:00

Juniper
Juniper Networks 最高経営責任者のRami Rahim氏

 Juniper Networks 最高経営責任者(CEO)のRami Rahim氏は6月5日、都内で記者会見を開き、クラウドインフラやセキュリティ分野におけるサービス強化に注力するとの事業戦略を発表した。

 同社の2016会計年度売上高は49億9000万ドルで、2期連続の増収を達成。2017会計年度の第1四半期は前年度期比11%増となり、Rahim氏は3期連続の増収に向けて好スタートを切れたと強調した2016会計年度中に、主要顧客を通信事業者、大企業、クラウドサービス事業者の3つに定め、各顧客の業界に向けた戦略展開が成長要因だと説明している。

 特に、クラウドサービス事業者向けビジネスが前年比25%の成長を遂げ、大企業のデータセンター向けビジネスでもスイッチ製品のQFXシリーズが50%以上の成長を記録したという。セキュリティサービス「Software-Defined Secure Networks」(SDSN)などのサービスビジネスも同14%増になった。

 Rahim氏は、短期的には企業システムのクラウド移行ニーズに即したネットワーク製品に注力しつつ、長期的にはクラウドインフラ向けのネットワークやSDSNのサービスを強化していく方針を表明した。

ジュニパーネットワークス
ジュニパーネットワークス 代表取締役社長の古屋知弘氏

 日本市場の戦略についてジュニパーネットワークス 代表取締役社長の古屋知弘氏は、通信事業者における第5世代(5G)携帯電話網への設備投資と、企業のサイバーセキュリティ強化やクラウド移行、ITインフラ運用の自動化、IoTが商機になると説明。Rahim氏に掲げる戦略を踏まえ、パートナーとの協業を推進していくと述べた。

 同氏は、「ジュニパーは通信事業者向けのハイエンド製品を手掛けるメーカーとの印象が強いものの、実際には企業や研究機関のデータセンターネットワークにも広く採用されている」とも述べ、同社のオープン戦略が幅広い業種の顧客獲得につながっていると話す。

 記者会見ではSDSNの新機能も発表。管理機能の「Policy Enforcer」で新たにCisco製スイッチをサポートしたほか、Microsoft AzureおよびVMware NSXとの連係によるセキュリティ機能の強化を図った。マルウェア対策サービスの「Sky Advanced Threat Prevention」にメール分析機能を追加し、マルウェア感染を狙うスパムメールへの検知/防御能力を向上させたとしている。

Software-Defined
Software-Defined Secure Networksの主な強化内容

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