日本株展望

外国人買い続く--年内高値はいつ頃か?

ZDNet Japan Staff 2017年06月06日 11時22分

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今日のポイント

  1. 4月後半から外国人買いが増加し、日経平均の上昇を牽引。景気・企業業績の回復モメンタムが強いので、今は、政治不安があっても株が上昇する局面と考えている
  2. 6~8月頃、2万1000円前後で日経平均が年内の高値をつける可能性もある。ただし、海外での突発事項によって日経平均が異なる展開となる可能性もある

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

外国人の売買で動く日本株

 4月後半から日経平均の上昇が続いているが、上昇を牽引しているのは外国人投資家である。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2016年1月4日~2017年6月5日(外国人売買動向は5月26日まで)

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2016年1月4日~2017年6月5日(外国人売買動向は5月26日まで)
出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成
注:上のグラフの外国人売買で、棒グラフが上(プラス方向)に伸びているのは買越、下(マイナス方向)に伸びているのは売越を示す

 日本株を動かしているのは外国人投資家だ。外国人が買うと日経平均が上がり、売ると下がる傾向が20年以上続いている。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値を叩いて売ってくる傾向がある。

 2016年は年初から外国人の売りが急増し、日経平均は急落した。2016年11~12月は外国人の買いが急増し、日経平均の上昇を牽引した。

 2017年に入ってから外国人の買いが止まると、日経平均はボックス推移となった。3月に外国人の売りが増えると、日経平均は一時、ボックスを下へ抜けた。ところが、4月後半から外国人の買いが増加すると、一転して日経平均は上昇に転じた。5月後半ロシアゲート疑惑の調査にモラー特別捜査官が任命されると一時、外国人が小幅に売り越した。

 まだ統計は出ていないが、5月29日~6月2日は再び外国人が日本株を買い越していると考えられる。外国人好みの大型株が出来高を伴って上昇しているからだ。

 外国人から見ると、日本株は「世界景気敏感株」で「世界の政治不安敏感株」である。世界景気回復の見通しが強まる時、世界の政治不安が緩む時、外国人は日本株を買い越す傾向がある。

日経平均の年内高値はいつ頃か?

 2017年の日経平均の動きについて、昨年12月29日に書いた予想は、以下の通り。

 2017年は日本株にとって、どんな年になるだろうか? 前半高・後半安のイメージを持っている。2016年後半から世界景気の回復色が徐々に強まってきたことを受けて、世界的に債券(安全資産)を売って株式(リスク資産)を買う流れが出ている。この流れがしばらく続くと考えている。

 とは言っても、2016年11~12月の日経平均の上昇ピッチが速かったため、2017年1月はスピード調整が起こる可能性もある。それでも1月から日本の景気・企業業績の改善を示すニュースが増えるので、深押しはないと予想している。年前半は企業業績の拡大を評価し、上昇基調が続くと考えている。

 年後半になると、世界景気の回復を買う流れは一巡し、再び、世界の政治・経済に対する不安から世界的に株が下がるイメージを持っている。良い材料も悪い材料も循環するので、上昇相場でも警戒を怠らず、下落相場では過度に弱気にならないことが大切だ。

 2017年の日経平均は、1万7000円から2万2000円の範囲で推移すると考えている。先に示した業績予想に基づき、株価収益率(PER)16.2倍まで買われると、日経平均は2万2000円になる。

 これまでの日経平均の動きは、概ね想定通りだった。今しばらく日経平均は「政治不安はあっても景気・企業業績の回復の勢いが強いので上昇する」局面が続くと考えている。

 現時点での企業業績の予想に基づき、日経平均がPER16倍まで買われると、2万2600円まで上昇することになる。世界の政治不安が強まっているので、そこまで上昇することはないと考えている。

 現在、年内の高値は2万1000円くらいと考えているが、外国人の買いの勢いがさらに強まると、一時的に2万2000円に近づくこともあるかもしれない。

 高値をつける時期はいつになるだろうか? 世界景気の回復の勢いが強い間は上昇が続き、世界景気回復の勢いが低下すると下落に転じる可能性がある。

 高値をつける時期を予想することは難しいものの、現時点では、6月から8月になると予想している。

短期的な相場予測に賭けるべきではない

 日本株は、PERや配当利回りから見て、割安と考えている。長期投資で報われると考えている。

 ただし、世界経済や政治に異変が起こると、日本株に外国人投資家の売りが増えて、急落することもある。日本株が予測しようのない海外の突発事態によって、急落急騰を繰り返す資産であることはこれからも変わらないだろう。

 投資と投機は異なる。短期的な相場予測に賭けて投機的ポジションを取るのではなく、堅実な方法で日本株に長期投資をしていく方が良いと思う。

 定時定額を買い付ける方法(たとえば毎月1万円)、あるいは、手持ちの金融資産の一定比率を長期的に日本株に投資する方法(たとえば金融資産が300万円あるとして、100万円を日本株に投資)を選び、じっくり投資していくことが長期的な資産形成に寄与すると考えている。

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