デルは、5月26日、「中堅企業向けバックアップ関連動向調査」の結果を発表した。50.3%の中堅企業は、すべてのプラットフォームについてシステムデータを復旧できる絶対の自信はないと回答しているという結果が出た。
この調査は、デルが2016年12月~2017年1月に実施した中堅企業IT関連動向調査の追跡調査として、2017年4月~5月にかけて実施されたもの。デルと取引のある中堅企業(100人~999人)に在籍するおよそ150人の情報システム担当者、IT管理者を対象に、自社のバックアップ環境に関する質問を行い、オンライン形式での回答を集計した。
先に挙げた「データ復旧に対する自信」について、デルでは、整備したBCP対策およびバックアップ環境において、復旧テスト等がなされていないことが一因と考えられるとしている。
また、復旧に求める時間として、基幹業務(アプリケーション・データベース)が4時間という回答が最も多い。メールは半日、設計・技術仕様書、調査・試験データ、図面・グラフィックデータ、ファイルサーバ、クライアントローカルは1日の復旧を許容するという結果となった。
バックアップデータ種別ごとに時間の定義が存在
アーカイブ対象データが膨大化・長期化していることも明らかになった。中堅企業の61.2%はアーカイブデータを保持しており、CAD/技術仕様書を対象として長期保管している企業が30.1%、次いで発注書/注文書を対象としている企業が26.1%となってる。アーカイブデータの保存期間は5年と10年がそれぞれ全体の平均3割と最も多いことから、デルでは、長期保管に適した運用負荷の低いアーカイブ先を用意する必要があると指摘している。
バックアップ予算については、現状維持および増加すると回答した企業は、100~199人規模の企業が最も多く95.9%、続いて200~299人規模の企業が94.1%となっている。また、「ひとり情シス」の企業では95.7%と全体と比べるとその傾向は高く、ふたり以上の情シスを抱える企業は「ひとり情シス」の企業と比べて投資の減少傾向が5.9ポイント高い。
「ひとり情シス」企業のバックアップへの投資予算は、現状維持が82.6%となっており、ふたり以上に比べて18.1ポイントも高い。デルでは、要求とコストのバランスを取り、段階的にバックアップ環境を整備することを推奨している。また、「ひとり情シス」企業のバックアップ関連投資の意欲が全体に高いことについて、こうした企業では、復旧リードタイムに対する現場からの要求をダイレクトに受けるため、より短いリードタイムを想定するケースが多いと指摘している。
クラウドバックアップの利用については、95.9%の企業がオンプレミスへのバックアップ対応を実施しており、それと並行して、23.9%の企業がクラウドバックアップを利用していることが分かった。海外展開を検討している中堅企業の44.4%はクラウドバックアップを想定している。