Red Hatは、同社のソフトウェア定義ストレージ「Red Hat Ceph Storage」のバージョン2.3をリリースすると発表した。この最新バージョンは、「Ceph 10.2(Jewel)」をベースにしており、新たに「Network File System」(NFS)のインターフェースが導入されるほか、ファイルシステムクライアント「Hadoop S3A」との互換性がサポートされる。またコンテナイメージが提供され、コンテナ環境での利用も容易になる。
NFSインターフェースは「Ceph Object Gateway」に追加される。これを使用することで、「Amazon S3」のオブジェクトと、NFSのファイルインターフェースの両方から同じデータセットにアクセスできるようになる。この機能は従来のUNIXやLinuxのストレージシステムとクラウドストレージの間にあるギャップを埋めてくれるだろう。新しいNFSのインターフェースは、Red Hat Ceph Storageのマルチサイト機能を使用して、NFSプロトコルでグローバルなクラスタやデータアクセスを使用できるため、ユーザーは長年使ってきたストレージプロトコルを使いつつ、オブジェクトストレージの拡張性、柔軟性、費用対効果を享受することができるようになる。
またこのバージョンでは、Hadoop S3Aのファイルシステムクライアントとの互換性がサポートされ、Ceph Storageのオブジェクトストアで「Apache Hadoop MapReduce」「Hive」「Spark」などのビッグデータ分析アプリケーションを扱えるようになった。ユーザーはライフサイクル管理やメタデータ管理などのネイティブなオブジェクトストレージ機能を利用できるようになるほか、イレイジャーコーディングによるコスト削減や、コンピューティングとストレージの独立したスケーリングが可能になる。
また、Red Hat Cephのコンテナイメージが、「Red Hat Container Registry」から提供されることになった。これによって、コンテナ化されたアプリケーションでのCephの導入が容易になる。
Red Hat Ceph Storage 2.3と同バージョンのコンテナイメージは、2017年6月中に、「Red Hat Customer Portal」および「Red Hat Container Registry」から入手可能になる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。