VMwareは米国時間6月6日、「VMware vRealize」クラウド管理プラットフォームに対する一連のアップデートを実施したと発表した。この動きの背景には、企業の間でハイブリッドなマルチクラウド環境の採用が進んでいる現状がある。

VMwareの製品マーケティング担当シニアディレクターであるMark Leake氏が米ZDNetに語ったところによると、同社の顧客を対象とした調査で、マルチクラウド環境を「理想的な最終形態」だとする企業が67%におよんだという。これら顧客はコンテナやマイクロサービスに基づいたクラウドネイティブなモバイルアプリケーションに軸足を移しつつあるという。
とは言うものの、彼らの業務プロセスの大半は従来型のアプリケーションが担っている。Leake氏は「今後の5年、10年、あるいは15年かそれ以上の期間で見た場合、われわれの顧客のほとんどでは、異種混在型のハイブリッドクラウド環境が現実的な姿となるだろう」と述べている。
VMwareはそのために、自動化やインテリジェントな運用、DevOps対応のITという観点からクラウド管理プラットフォームをアップデートした。
インテリジェントな運用という観点について、VMwareでクラウド管理製品のマーケティング担当グループマネージャーを務めるTaruna Gandhi氏は、「システムのほぼ完全な運用管理を実現する」ために、「VMware vRealize Operations 6.6」にワークロードの自動バランス機能を追加したと説明している。またvRealize Operations 6.6ではユーザーインターフェースも刷新されており(20種類以上の新たなダッシュボードがすぐに利用できる状態で提供されている)、同テクノロジになじみがないユーザーでも使用できるようになっている。さらに同社はvRealize Operations 6.6において、ネイティブなvSAN管理を可能にするとともに、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services」(AWS)に対するマルチクラウドサポートを充実させている。
このほかにも同社は、「VMware vRealize Automation 7.3」で新たなワークロードの自動配置機能を追加した。これにより、Leake氏が「プロビジョニング初日の意思決定」と呼ぶ作業を支援する。また自動化に向けた拡張として、NSXとの統合機能も強化している。
さらにDevOps対応のIT向けに、同社は「Docker」のボリュームや「Docker Remote API」に対する追加サポートを含む、新たなコンテナ管理機能をvRealize Automation 7.3に導入した。またvRealize Automation 7.3には、構成管理ツールのフレームワークも含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。