Interop2017

「SD-WAN時代にネットワーク管理の資格は不要」--Riverbedが狙う再定義

日川佳三 2017年06月12日 07時00分

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 WAN高速化装置「SteelHead」を、2002年から15年間手掛ける米Riverbed Technology。現在でもWAN高速化製品が収益の60~70%を占めるが、直近では「SD-WAN」(ソフトウェアで定義できるWAN)の製品「SteelConnect」に力を入れている。6月7~9日に開催された「Interop Tokyo 2017」で、SteelHeadとSteelFusionのシニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーを務めるPaul O'Farrell氏に話を聞いた。

Riverbed
Riverbed Technology シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャー Paul O'Farrell氏

 SD-WANは、新たに立ち上がりつつある市場。同社がSD-WAN製品のSteelConnectの提供を始めたのは2016年4月のことで、まだ収益に占める割合は少ないものの、「SD-WAN事業の立ち上がりと成長のスピードは速い」と、O'Farrell氏は指摘する。

 SD-WAN製品のメリットを享受できる典型的なユーザーは、グローバルで多数の拠点を擁する大企業だ。日本を含む複数の大企業が、PoC(概念実証)としてトライアル導入を実施しているという。直近の大きな案件では、米国の携帯電話会社がPoCを実施し、効果を認め次第、全米の2200店舗に展開する予定だ。

 O'Farrell氏は、既にSD-WANを本格的に運用しているユーザー事例を3つ挙げる。1つはオーストラリアの製造業で、438サイトにWAN高速化とSD-WANを適用し、より多くのトラフィックを利用できるようにした。2つ目の大手製薬会社は、約500サイトにSD-WANを導入し、IT予算を30%下げた。3つ目のケースとなる若者向けアパレル流通の企業では、男性客を店舗に滞留させるためにスマホアプリを活用し、必要なネットワーク帯域をSD-WANで確保した。

 同社は製品ラインアップの一部にSD-WANを加えるほど、重要視している。3月には、WAN高速化装置のSteelHeadとSD-WANのゲートウエイ機器を1台の筐体に統合した「SteelHead SD」も用意した。これは遠隔拠点において、WAN高速化とSD-WANを組み合わせて使う需要が高いからだという。

 4月には、SD-WANのようにクラウド上から管理できる無線LAN製品群を開発する米Xirrusの買収を発表した。その狙いは、ネットワークのゲートウェイ間だけでなく、エンドユーザーのクライアントPCやサーバを含めて、エンド・ツー・エンドでアクセス制御などのポリシーを管理できるようにすることだ。Xirrusの導入実績には、サンフランシスコの大規模カンファレンス施設「Moscone Center」や、英Liverpool Football ClubのAnfieldスタジアムなどがある。

サーバやストレージと同様にネットワークもソフトウェア定義で容易に管理

 SD-WANが求められる背景には、多くのユーザー企業が情報システムをオンプレミスからクラウドサービスへ移行している状況がある。オンプレミスでの管理からクラウドサービスに移行すると、サーバやストレージの管理の負荷が減る。これと同様に、SD-WANによってネットワークの管理を簡素化することが求められている。

 ネットワーク管理は長らく人手に委ねられ、ネットワークの設計や機器の設定、運用管理といった作業をネットワーク管理者が手作業で行ってきた。機器の設定は、CLI(コマンドラインインタフェース)がベースだった。「こうした状況は、Cisco Systems製品がネットワーク製品の主流であり続けたことによって、この20年間ほとんど変わっていない」(O'Farrell氏)

 これに対してRiverbedは、ネットワークの設計、設定、管理を簡単にするというビジョンを持つ。具体的には、遠隔の拠点やクラウド上に置くネットワーク機器の初期設定や設定変更が容易になるというもので、これらの全ての管理をクラウドベースの管理コンソールで行えるようになる。

 具体的には、例えば、遠隔の拠点にSD-WAN対応のエッジルータ機器を郵送し、これを現地でネットワークにつなげるだけで、他にはほとんど何もせずネットワークに接続できるようになる。設置済みの機器に対して、後から動的にネットワークの設定やポリシーを変更することも、クラウド上の管理コンソールから容易に行える。

 「ほとんどのネットワーク管理者はベンダーの資格を持っているが、現在ではこういった資格は不要だ」とO'Farrellは言う。「サーバ仮想化環境やクラウド環境では、サーバやストレージの設定方法について詳しい知識を必要としない。同じように、ネットワークも簡単に設定できるようにしている」

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