IDC Japanが6月8日に発表した国内ビッグデータ/アナリティクス(BA)ソフトウェア市場に関する調査によると、2016年は前年比8.0%増の2282億6000万円。同市場は2021年に3419億800万円となり、年平均成長率(CAGR)は8.4%になると予測している。
調査では、BA市場を分析情報管理/統合基盤、ビジネスインテリジェンス(BI)/分析ツール、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場の3つの中分類市場と中分類市場に含まれる16の機能別市場に分けて市場規模を予測した。
2016~2021年の国内BAソフトウェア市場予測(IDC Japan提供)
2016年の高成長の背景には、企業がクラウドとオンプレミスの併存するデータアナリティクス環境を利用していることが挙げられる。クラウド型データウェアハウス(DWH)の好調が継続している一方で、オンプレミス型の製品でも大型の導入が続いた。
今後、BAソフトウェアへの投資は既存業務の改善をターゲットにしたものから、徐々に企業のデジタル化をターゲットにしたものに移行し、「Apache Hadoop」などのノンリレーショナル分析データストア、コグニティブ/人工知能(AI)システム基盤、コンティニュアスアナリティクスソフトウェアなどが市場の拡大を牽引していくという。
IDCでは、オンプレミスとパブリッククラウドの混在したデータアナリティクス環境が一般化してくると、データのサイロ化を防ぎ、システム相互間での可搬性をガバナンスとセキュリティを保ちながら実現する必要があるとしている。その上で、ITサプライヤーは、ハイブリッドクラウド環境を前提にしたデータ管理の仕組みを提供していくことが求められるとした。