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日本株展望

英選挙・コミー証言は消化不足--次の焦点は米利上げ

ZDNet Japan Staff

2017-06-12 10:43

今日のポイント

  1. 英選挙で保守党が敗北したことはネガティブだが、短期的に英経済に与える影響は限定的であるため、金融市場は反応せず。コミー証言も、それだけではロシアゲート疑惑が最終的にどういう決着に向かうか判断できず、金融市場は消化不足
  2. 今週の注目材料は、14日のFOMC結果発表。利上げがほぼ確実。注目は、利上げ後の為替の反応。材料出尽くしで円高か、さらなる金融引き締めの思惑で円安か?

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

先週のイベントは消化不足

 先週の日経平均は、1週間で164円下がって2万13円となった。一時2万円を割れたが、最終的には2万円台を維持した。先週は、英総選挙・コミー前FBI長官の議会証言と、英米で注目イベントがあったが、マーケットに大きな影響を与えなかった。金融市場は、この2つのイベントを消化不足と考えられる。

 英選挙は、保守党が過半数を割るというネガティブな結果が出たが、それで世界の株が大きく動くことはなかった。

 米国議会での、コミーFBI前長官の証言では、トランプ大統領の弾劾や罷免につながる司法妨害の有無が焦点となっていた。コミー氏はそれについては「私が判断することではない」と、判断をモラー特別検察官に委ねた。ただし、コミー氏の証言には「トランプ大統領は嘘をついている」など厳しい内容が含まれ、問題となる捜査妨害があったと示唆したと考えられる。それでも、世界の株が大きく動くことはなかった。

 この2つのイベントに、金融市場が大きく反応しなかった理由について、「織り込み済みだった」との解説も出ている。一方、これは「織り込み済み」ではなく、今後、どう進展していくかわからないので「消化不足」にあると考えている。

英下院選挙で保守党が敗北した理由

 6月8日、イギリスで下院選挙が行われた。イギリスでは、昨年6月23日に、EU離脱を問う国民投票が行われ、離脱方針が可決される「まさか」の結果が出ている。あれから1年、再び「まさか」の結果が出た。

 選挙戦序盤では、メイ首相率いる保守党が大勝すると予想されていた。ところが、結果は、敗北だった。改選前、下院で51%を占めていた保守党は、過半数を割る49%しか獲得できなかった。メイ首相は「今なら勝てる」と判断して、3年後に予定されていた総選挙の前倒し実施を決断した。ところが、英国民の意思を完全に読み違えていた。

 第二党のコービン党首率いる労働党が、議席を伸ばした。改選前、35%占めていた労働党は、40%の議席を獲得した。

 メイ首相は、第一党党首として、引き続き首相を務める意思を表明している。過半数を割れたまま政権を維持するために、今回の選挙で10議席を獲得した民主統一党(英国北アイルランド地区の地域政党)の閣外協力を得る方針で、協議中だ。保守党の議席(322)に民主統一党の議席(10)を加えると、議席総数(650)に対して辛うじて過半数となるので、政権維持が可能となる。ただし、その場合でも、メイ首相のリーダーシップは大きく低下すると考えられる。

 保守党の票が労働党に流れ、「まさか」の敗北となった要因は、主に2つと考えている。

(1)テロ対応遅れに対する批判

 選挙直前に、イギリスでテロが相次いだ。労働党のコービン党首は、メイ首相が内相時代に警察官を2万人削減したために、テロが増加したと、メイ首相の責任を追及した。テロ続発が、保守党の支持率を下げ、労働党の支持率を上げる要因となった。

(2)緊縮財政に対する批判

 保守党は、伝統的に「資本主義、経済効率」を重視する政党で、第二党の労働党は、「社会福祉、貧富の差縮小」を重視する政党である。保守党は、大勝すると誤認したうえで、社会福祉の削減を含む緊縮財政継続のマニフェストを発表した。これに対し、英国民から、多数の批判が出た。労働党は社会福祉を手厚くするマニフェストを作り、貧富の格差拡大を招く保守党の政策を批判した。その結果、低所得者層の票が労働党に流れた。

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