ITは「ひみつ道具」の夢を見る

UIはクリエイティブの命運を握る--ドラクエが“広めた”Windows 95

稲田豊史 2017年06月17日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 人がテクノロジに物理接触する際、UI(ユーザインタフェース)を避けて通ることはできない。スマホやPCの操作は言うに及ばず、ゲーム機のコントローラからクルマの運転、銀行のATMからTSUTAYAの店内検索機まで、UIは現代人の生活のすみずみにまで入り込んでいるからだ。

 SFなどのフィクション作品に登場する架空のテクノロジが「ああ、本物っぽい」と感じる時は、決まってそのUIがきちんとデザインされている。

 15年前の近未来SF映画『マイノリティ・リポート』(02)では、いわゆるジェスチャー入力が登場する。マーカー付き手袋を装着したトム・クルーズが、透明アクリル板のようなディスプレイに表示されたオブジェクト(写真や動画のサムネイルなど)をジェスチャーによって「動かして」いるのだ(このシーンは“Minority Report”“UI”で動画検索するといくつもヒットする)。

 7年前のアメコミ映画『アイアンマン2』(10)ではさらに進化して、空中に投影されたホログラム(3D設計図など)を、アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrがジェスチャーで動かしている。こちらは手に何も装着していない。

 4年前の映画『her/世界でひとつの彼女』は純粋なSFではないが、PCのUIが音声入力ベースになっている近未来が舞台だ。手紙の代筆屋である主人公は、文面作成や印刷といった操作をすべて音声入力で行っている。物語は、女性の疑似人格が搭載された人工知能型OS“サマンサ”に主人公が恋をしてしまう……といったもの。このOSとのやり取りもすべて音声の会話で行われる。

 『マイノリティ・リポート』程度のジェスチャー入力なら、現在の技術でほとんど実現可能だ。科学アドバイザーとして同作中のUIをデザインしたジョン・アンダーコフラーが創設したOblong Industries社は映画公開後、実際にジェスチャー入力システムの開発に尽力した。

 ゲーム好きなら、Microsoftのゲーム機「Xbox 360」の対応機器として開発されたジェスチャー・音声認識デバイス「Kinect(キネクト)」(2010年発売)を思い浮かべるだろう。こちらはマーカー付きの手袋などが必要ないので、ある意味で『マイノリティ・リポート』より進んでいると言えるのかもしれない。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算