「Interop Tokyo 2017」が6月7~9日に千葉・幕張メッセで開催された。毎年多くの来場者でにぎわう同イベントは今年も盛況となった。本稿では主要テーマの1つとなったSD-WAN関連の展示をレポートする。
シトリックス・システムズ・ジャパンは、WAN高速化やロードバランシング、セキュリティなどの機能を提供するネットワーク製品「NetScaler」を中心に展示し、その活用法の一つとしてSD-WANソリューションを紹介した。
同社はデータセンターと拠点間のネットワークをSD-WAN化し、さらに暗号化することで、「止まらない安全なネットワーク」のメリットを強調。導入の容易さや集中一括管理、通信の重要度を柔軟に設定できることなどによる管理・運用工数の削減も特徴として挙げていた。帯域制限では、例えば、ゲームの通信を検出して禁止したり、FacebookなどSNSへの書き込みなども制限できる。
特に日本の専用線サービスは高価であるため、インターネットと組み合わせて最適化できる点が評価されているといい、最近では地方銀行などでの導入が増えているとのことだ。
インターネットとSD-WANの組み合わせを訴求するシトリックスブース
NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は、法人向けのトータルネットワークソリューション「Master'sONE」のクラウド型ネットワークサービスを紹介。初期費用無料や月額費用が1万7000円の「Nプラン」、高機能版の「Vプラン」のデモを行った。
同サービスは、SD-WANの技術を採用することにより、拠点ルータの自動設定や、設定のリモート即時変更を可能にするほか、アプリケーションレベルでの通信の可視化やトラフィックのコントロールによる帯域の確保、ネットワークレイヤでのアクセスコントロールなどセキュリティの向上も実現するという。
SD-WANで使いやすいサービスを紹介するNTTPCブース
パートナーのブースを集めた「VMwareコーナー」を展開したVMwareは、SD-WANソリューションとして「VMware vCloud NFV」を紹介。現状のサイロ化されたNFV(ネットワーク機能仮想化)プラットフォームを水平統合することで、単一の基盤により効率的な管理・運用を実現できる。また、短期間で容易に追加、展開できることもメリットとして強調していた。ブース担当者は、「仮想化ベンダーとしての認知が定着してきたので、より具体的な質問をいただくことが多い」と語る。
「VMware vCloud NFV」を出典するVMwareブース
アライドテレシスは、「SD-WAN READY」を掲げ、大きなブーススペースを割いて出展。特に、中央拠点に設置される「マスター」として使用される次世代ファイアウォールを搭載したUTM(統合脅威管理)とVPNルータの「AT-AR4050S」は来場者の興味も高く、引き合いが多いという。
また、地方の拠点に設置される「エッジ」製品としては、「AT-SH230」が好評だという。12月に発売を予定する「AT-x230シリーズ」の新製品も注目を集めた。多数の導入事例も紹介し、教育現場のICT環境の構築や、医療現場におけるIoTデバイスの管理、自治体の防犯、環境、安全衛生の可視化などに活用されている事例が、構成機器とともに展示された。
「SD-WAN READY」を掲げるアライドテレシスブース