IBMは、新たに設立した子会社Watson Financial Servicesからサービススイートの第1弾をリリースした。
この金融業界向け「Watson」の部門は、IBMが2016年にPromontory Financial Groupを買収したことを機に設置された。Promontoryは、金融分野で増え続けている規制やリスク管理の要件に銀行が対処できるよう、世界的にコンサルティング業務を展開していた。
IBMは買収後、規制する側にいた人材や元銀行幹部など、Promontoryの人材が有する専門知識を活用し、Watsonに規制やリスク、コンプライアンスに関するさまざまな知識を身につけさせてきた。第1弾のコグニティブツールは、規制上の要件、金融犯罪に関する洞察、金融リスクのモデル化などの分野を扱う。Watsonの力を借りたこのソフトウェアは、「IBM Cloud」を通じて米国時間6月14日にリリースされる。
「Watson Regulatory Compliance」について、IBMはコンプライアンスの専門家に向けたシステムの機能を拡大するため、200の情報源から規制に関する情報をWatsonのAIプラットフォームに取り込むためのプロセスを開始したと述べている。
IBMのインダストリープラットフォーム事業担当シニアバイスプレジデントであるBridget van Kralingen氏は、次のように述べている。「2世代前、IBMは金融サービス分野に最初のコンピュータを導入し、銀行などの機関がより効率よく正確に運営し、市場における信頼を高められるようにした」
「金融機関は現在、信頼を育むために、業界の情報を分析し、リスクとコンプライアンスを監視しなければならない。これを単独で適切に実行できる個人やチームは存在しない。そのためIBMはもう1度、専門家がより効率よく活動できるよう、コグニティブコンピューティングという新しい種類のコンピューティングを提供しようとしている」(van Kralingen氏)
提供:IBM
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。