--Lift&Shiftの「Shift」まで完了している企業は少ないと思いますが、人員強化や移行部分で上手く行った事例を紹介してください。
アデランスは、ベンダーとの関係が長く、クラウド化にあたってはソフトランディングが必要な状態でした。
情報システム部員はベンダーのシステムを扱っているし、部員の大半がベンダーの人だったりするからです。ベンダーに「全部引き上げます」と言われてしまったら、会社のビジネスが成り立たなくなってしまう。
そこで、サブシステム単位でLiftしていき、その間に（自社の）部員にAmazonのことを少しずつトレーニングして、自分たちでオペレーションができるようにしました。そして、あるタイミングで少しずつ”Amazonらしいサービス”を使うようにしました。
アプリケーションの部分は今まで通りのベンダーが担っていて、インフラ部分を上手く移行することを戦略的に選んでいます。
--そういった問題があってもクラウドに移行しようとする企業の考えとは。
共通しているのは、インフラの運用の領域では人を採れないと思っているのではないかということです。
今は若い人が減っているので、“アプリケーションを開発できる”“AWSでの運用ができる”などの仕事でないと人が来ないのですよね。
オンプレのインフラ運用のような部分はAmazonに移して、今までインフラの運用にかけていた人件費や時間を圧縮して、空いた部分で面白いところに投資する余力を作ることで、若い人を迎えたいというモチベーションがあると思います。
インフラ部分をクラウド化することが採用力強化にもつながっているのです。
<了>
